高速化したインメモリDB「Redis 8.0」正式リリース。AGPLv3対応によりオープンソースに復帰

2025年5月8日

インメモリデータベースとして知られるRedisの最新版「Redis 8.0」正式リリースが発表されました

Redis 8.0では性能とスケーラビリティの向上、そしてAGPLv3ライセンスが追加されたことによるオープンソースへの復帰などが主なトピックとなります。

性能面では、命令の実行速度が87%高速に、1秒当たりの操作スループットが2倍以上に、レプリケーションが18%高速になり、さらにRedis Query Engineによるクエリ処理が最大で16倍高速になったと報告されています。

さらにベクトルセット(β対応)やJSON、時系列を含む8つの新たなデータ型と、Bloom filter、cuckoo filter、count-min sketch、top-k、t-digestなどを含む5つの確率的データ構造が追加されました。

Redisオリジナル開発者のAntirez氏がエバンジェリストに

Redisは昨年(2024年)3月に、それまでのオープンソースライセンスから商用サービスによる利用を制限するRedis Source Available License (RSALv2)とServer Side Public License (SSPLv1)のデュアルライセンスに変更しました。

参考:Redis、クラウドベンダなどによる商用サービスを制限するライセンス変更を発表。今後はRedis社とのライセンス契約が必須に

これは主に、AWSなどの大手クラウドベンダがRedisのマネージドサービスを勝手に提供することを防ぐことを目指したものでした。

ある意味で同社の狙い通り、このライセンス変更が発表された翌月の2024年4月には、AWSが中心となりLinux Foundation傘下でRedisのフォークとして「Valkey」プロジェクトが開始され、Google Cloud、Oracleなど多くのベンダが協力を表明。

実際にValkeyによるマネージドサービスはAWSやGoogle Cloudなどで始まっています。

参考:Redisをフォークした「Valkey」初のメジャーバージョンアップ「Valkey 8.0」正式リリース。非同期I/Oスレッディングによる高速化など強化

こうした状況を受けて、Redis 8.0ではオープンソースライセンスであるAGPLv3が追加され、オープンソースライセンスに復帰することとなりました。

2024年3月にRdisの非オープンソース化を決断したRedis CEOのRowan Trollope氏は今回のオープンソースへの復帰に関して、Redisのオリジナル開発者であるSalvatore Sanfillipo氏(通称:antirez氏)が昨年11月にデベロッパーエバンジェリストとして同社に加わったことを紹介しつつ、同氏の当初のビジョンに従ってRedis を進化させながら、開発者が愛するプラットフォームを作っていくとしています。

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