ガートナー、AIにおけるハイプサイクル2025を発表。AIエージェントやマルチモーダルAIは過剰期待、AIネイティブソフトウェアエンジニアリングやAGIは黎明期など
米調査会社のガートナーは、「Hype Cycle for Artificial Intelligence」(AIにおけるハイプサイクル)の2025年版を発表しました。
ハイプサイクルとは、新しいテクノロジが登場して定着するまでの過程を黎明期(イノベーションの引き金)、流行期(過剰期待の頂)、幻滅期(幻滅の谷)、安定期(生産性の台地)に分けて紹介するというものです。
下図が今回発表されたAIにおけるハイプサイクルです。

図が小さくて文字が読みにくいのですが、左の黎明期(イノベーションの引き金)に位置するテクノロジとして、主に以下のような名称が確認できます。
- AI Native Software Engineering
- Quantum AI
- AI Governance Platform
- FinOps for AI
- Artificial General Intelligence
Quantum AI(量子AI)やArtificial General Intelligence(AGI)など、実際に登場すれば大きな技術的飛躍が期待されるところです。
その次のサイクルの最も高い位置にある流行期(過剰期待の頂)には次のようなテクノロジが並んでいます。
- AI TRiSM
- Multimodal AI
- Soverign AI
- AI Agents
- AI Ready Data
- AI Engineering
AI TRiSMは、企業がAIを安全かつ信頼できる状態で利用できるように、AIモデルのガバナンス、信頼性 、公平性、確実性、堅牢性、有効性、データ保護などを確保するためのフレームワークとされています。
マルチモーダルAIはすでに代表的な生成AIサービスでは提供され始めている機能、AIエージェントはAIにおいて今最もホットなトピックといえるでしょう。
ガートナーはこのマルチモーダルAIとAI TRiSMは今後5年でAI関連技術のメインストリームになると予想しており、これらの開発によってより堅牢で革新的かつ責任あるAIアプリケーションが実現可能になり、ビジネスや組織の運営方法が変革されるだろうとしています。