Google Cloud、「Cloud Spanner」がカラムナエンジン搭載。OLTP+OLAPを大規模分散データベースで実現
Google Cloudは同社が提供するマネージドデータベースのCloud Spannerに、OLAP向けのデータベースエンジン「Spanner columnar engine」を追加したことを発表しました。
大規模分散DBでOLTPとOLAPの両立
Cloud Spannerはトランザクション機能による強い一貫性を備えたリレーショナルデータベースです。
しかもグローバルに分散したノードを持ち、万が一どこかの地域のデータセンター群が失われたとしても、全体としては稼働し続けられる高い可用性と、NoSQL並の非常に高いスケーラビリティと高速性を備える大規模分散データベースとして構成されています。
企業のミッションクリティカルな用途にも使えると説明されており、さらにグラフデータベース機能やベクトル検索などにも対応しています。
今回発表されたSpanner columner engineは、データの集計や分析を高速に実行できるカラムナエンジンです。
クエリに対して必要な列だけをスキャンするため効率よく高速にデータの集計や分析が可能です。また列ごとにデータが格納されるため同じ型の似たようなデータが揃い、データの圧縮率を高めることができます。
参考:最近話題の「カラム型データベース」とはどんな仕組みのデータベースか?
こうした特徴を持つカラムナエンジンがSpannerに加えられたことで、SpannerはOLTPとOLAPの両方の能力を備えるようになります。
Google Cloudはこれにより、SpannerがOLTP性能を維持しつつ、分析クエリを最大200倍高速化できるとしています。
単一のクエリがOLTPとOLAPに発行される
下記はGoogle CloudによるSpanner Clouumnar Engineの説明図です。標準で備えているPAX(標準的な行指向のストア)に加えて、列指向のカラムナストアが追加されています。
データの書き込みはPAXとカラムナの両方に行われ、クエリも両方のエンジンに発行されて結果が帰ってくることが示されています。

Spanner columner engineは原罪プレビュー版となっており、利用申し込みを受け付けているところです。
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