さくらのクラウド、「AppRun」正式提供開始。自動的にスケールするコンテナ実行基盤。仮想マシンを専有する「専有型」が登場
さくらインターネットは、同社のクラウドサービス「さくらのクラウド」で「AppRun」の正式提供の開始を発表しました。
AppRunは、コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイし、自動的にスケーリングを行うコンテナ実行基盤を提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)のApp RunnerやGoogle CloudのCloud Runに相当すると言えます。
コンテナ化されていれば実行可能なため、さまざまなプログラミング言語やライブラリなどが利用可能な自由度があります。
サーバーの設定やネットワークの構築など、インフラに関する設定や管理は一切不要で、アクセス増加時には自動的にスケールするため、トラフィックの急増にも対応します。
ちなみに、AppRunはKubernetesを基盤に、Kubernetes上でサーバレスを実装するためのオープンソースである「Knative」(ケイネイティブ)を用いて構築されています。
仮想マシンを専有する「専有型」を新たに提供
正式提供に合わせて、AppRunにはこれまでの製品トライアル版で提供してきた、仮想サーバ環境を複数の利用者で共用する「共用型」に加えて、仮想サーバー環境を専有することで高い安全性と安定性を備えた「専有型」の提供が開始されました。
共用型は同時リクエスト数ベースでゼロからスケールすることで、コストの最小化を実現可能。開発と検証や小規模サービスなど、スピードとコストを重視する環境に向いています。
新たに提供が開始された仮想サーバー環境を専有する「専有型」は、CPU使用率ベースでスケールし、拡張性が高く、要件に合わせて最適なインフラ構成を実現可能です。これは企業システムや自治体業務など、高い信頼性とセキュリティが求められる環境に向いています。
ガバメントクラウドの利用を想定
さくらのクラウドは、2025年末までに日本のガバメントクラウドの全ての技術要件を満たすことを条件に、政府全体で共通利用するクラウド基盤であるガバメントクラウドに認定されています。
そのため、専有型はこうしたガバメントクラウドとしての利用を想定したものといえるでしょう。
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