Flutterが進化する方向とは? WebAssemblyサポート、コンポーネントとしてWebアプリに組み込み可能に。Flutter Forward 2023

2023年1月30日

GoogleでFlutter & DartのプロダクトとUX担当ディレクターTim Sneath氏は、アフリカのケニア共和国ナイロビで開催された「Flutter Forward 2023」の基調講演で次のように話し、Flutterの進化の方向性を示しました。

fig

「Flutter for Webは汎用目的でデザインされてはいないことを明確にしておきたい。すでにDOMの分野で上手く行っているAngularやVue、Reactのような、DOMベースの新たなフレームワークを作ろうとしているわけではない。

そうではなく、(CanvasやWebAssemblyのような)新しいWeb標準をベースとする最初のフレームワークを作ろうとしているのだ。」

その上で、Flutter for WebがWebAssemblyをサポートする予定であることを明らかにしました。

fig

「FlutterからWebAssemblyへのコンパイルを近々サポート予定だ。 現在標準化が進んでいる、WebAssemblyをガベージコレクション対応に拡張したWebAssemblyGCを最初にサポートするフレームワークになる。」(Tim Sneath氏)

FlutterのWebAssemblyサポートにより、ロード時間の短縮と実行性能の向上が期待できるとしています。

FlutterをコンポーネントとしてWebアプリに組み込める

続いて明らかにされた新機能が「Element embedding」です。

この機能は、divタグを使ってFlutterアプリをコンポーネントとしてWebアプリケーションに組み込めるようになる、というものです。

divタグを用いてFlutterのコンポーネントに対してCSSの適用も可能。

下記は画面左がJavaScriptとHTMLなどを用いた通常のWebアプリケーションで、右側にElement embeddingを用いてFlutterアプリケーションが埋め込まれています。しかもCSSによって反転した状態でも問題なく動いていることが示されました。

fig

通常のWebアプリケーションとFlutterアプリケーションの相互運用性が非常に高まることが期待されています。

また、GPUを活用した高速な視覚効果を実現するピクセルシェーダーも実装される予定です。

fig

新しい描画エンジン「Impeller」とFlutter 3D

Flutterのモバイル対応の進化について。

今後、スマートフォンでニュースを読むニーズはさらに高まるとして、ナビゲーション、サーチ、認証、サブスクリプション機能などを備えたニュースアプリを迅速に開発できる「Flutter News Toolkit」を提供。

fig

大規模に書き直したグラフィックエンジン「Impeller」は、現在iOSでプレビューとなっていますが、今後ほかのプラットフォームにも展開されていきます。

fig

Blenderで作成した3Dモデルをglbファイルとして読み込んで操作できるFlutter 3D機能も紹介されました。

fig

Flutter Foward 2023

Tags: WebAssembly プログラミング言語 Dart Flutter Google

このエントリーをはてなブックマークに追加
ツイート
follow us in feedly





タグクラウド

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準

アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本