「Flutter 3.10」正式リリース。カラースキームの自動生成などMaterial 3対応強化、新レンダリングエンジン、WebAssembly対応など。Google I/O 2023

2023年5月12日

Googleは5月10日(日本時間11日)に米カリフォルニア州マウンテンビューで開催中のイベント「Google I/O 2023」で、Dart言語向けのフレームワーク「Flutter」の最新版となる「Flutter 3.10」の正式リリースを発表しました

Flutter 3.10では、Material 3へ対応強化、グラフィック性能の向上、サプライチェーンの安全性を示すSLSA level1への対応、WebAssembly対応など多くの新機能や性能向上などを実現しています。

カラースキームの自動生成などMaterial 3対応強化

Material 3対応では、アルゴリズムによるカラースキームの生成機能が追加されました。

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任意の色から自動的にアクセシビリティと視認性が約束されたカラースキームが生成できます。

その他、Material 3に対応したドロップダウンメニュー、ナビゲーションドロワー、タブバー、スナックバー、サーチバーなどが利用可能になっています。

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iOS/macOS対応では、エディタブルテキストウィジェットのスペルチェック対応、クパチーノスタイルのチェックボックス、コンテキストメニューの改善に加えて、iPadやiPhoneのワイヤレス接続によるデバッグが可能になりました。

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ImpellerがiOSのデフォルトレンダリングエンジンに

iOSのMetalやAndroidのVulkanなどのハードウェアアクセラレーションをフル活用する高速なレンダリングエンジン「Impeller」が、iOSでデフォルトのレンダリングエンジンとなりました。

Flutter 3.10でiOS向けに作られたすべてのアプリがImpellerを使用するようになり、より高速な描画が実現されます。

Android版のImpellerも開発が進められています。

SLSA Level 1に適合

Flutterは数年にわたってソースコードやライブラリ、ビルドプロセス全体についてセキュリティの見直しを行い、保護された信頼できるビルドプラットフォームでの自動ビルドを可能にしたことなどでアーティファクトの改ざんを防ぎ、サプライチェーンのセキュリティを向上させてきました。

これによってFlutterはSupply Chain Levels for Software Artifacts (SLSA) Level 1に適合することとなりました。

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WebAssembly対応のデモも

Dart言語とFlutterはWebAssemblyへの対応を表明しています。

今回、FlutterのアプリケーションをWebAssemblyとしてビルドし、ガベージコレクションのフラグを有効にしたChrome上でWebAssembly版Flutterが実際に動作するデモも今回紹介されました。

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参考:WebAssemblyにガベージコレクション機能が登場、Chrome 111で試験的実装に。Dartなど高級言語のWebAssembly対応へ前進

Google I/O 2023

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