静的サイトジェネレータ「Astro 4.0」正式リリース。デバッグを容易にするDev Toolbarが登場、キャッシュ導入でビルド時間が80%短縮

2023年12月13日

オープンソースで開発されている静的サイトジェネレータ「Astro」の最新バージョンとなる「Astro 4.0」が正式にリリースされました

今年(2023年)9月にAstro 3.0がリリースされたばかりで、速いペースでのバージョンアップが続いています。

Astroは、ReactやVue、Svelte、Alpine.js、TypeScriptなどのさまざまなフレームワークやライブラリに対応した静的サイトジェネレータです。

ビルド時にWebサイト全体のHTMLが生成され、しかもそのHTMLには全くJavaScriptが含まれないか、もしくはWebブラウザ上での動作に必要な最小限のJavaScriptのみが残されます。

そのため、非常に高速に表示されるWebサイトの生成が可能である点が、Astroの大きな特徴です。

Astro 4.0では次のような新機能が加わりました。

Astro 4.0の主な新機能

Astro Dev Toolbar
AstroはローカルマシンのNode.js上に開発環境をインストールして利用することが一般的な使い方です。このローカル環境のAstroを用いてWebブラウザにプレビューした際に、画面下部に「Astro Dev Toolbar」が表示されるようになりました。

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一番左の「A」ボタンをクリックすると、Astroのドキュメントなどをポップアップ画面から参照できます。

左から2番目は「Inspect」ボタンで、これをクリックして画面上のコンポーネントを選択すると、そのコンポーネントがどのライブラリで作られているのか、などの情報が表示され、デバッグが容易になります。

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左から3番目は「Audit」ボタンで、アクセシビリティに問題があるかどうかをチェックし、問題を指摘してくれます。

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また、サードパーティもDev Toolbar APIによってDev Toolsに機能を組み込むことができるようになっています

Internationalization (i18n) Routing
i18n Routingではデフォルト言語の設定、相対ページURLを得るための演算、訪問者のブラウザが提供する優先言語による表示などをサポートし、多言語対応のコンテンツを持つWebサイトの構築に対応します。

Incremental Content Caching(実験的実装)
ビルド時の重複作業を減らすために、キャッシュが導入されました。これはAstro 3.5で導入されたContent Collections Build Cache機能が元になっています。

Astro Docsを例にすると、キャッシュを有効にすることでビルド時間は4分58秒から60秒強と80%高速化されたと説明されています。

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そのほかView Transition APIの強化、ロギングの改善、ドキュメントの改善などが行われています。詳細は「Astro 4.0」をご覧ください。

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