静的サイトジェネレータ「Astro 3.5」正式リリース。多言語対応サイトのサポート、大規模サイトのビルド時間を大幅に改善など新機能

2023年11月14日

オープンソースで開発されている静的サイトジェネレータ「Astro」の最新バージョンとなる「Astro 3.5」が正式にリリースされました。

先月(2023年9月)にAstro 3.0がリリースされ、先月にはAstro 3.2がリリースされるなど、1カ月ごとの速いペースで新機能が追加されています。

Astroは、ReactやVue、Svelte、Alpine.js、TypeScriptなどのさまざまなフレームワークやライブラリに対応した静的サイトジェネレータです。

ビルド時にWebサイト全体のHTMLが生成され、しかもそのHTMLには全くJavaScriptが含まれないか、もしくはWebブラウザ上での動作に必要な最小限のJavaScriptのみが残されます。

そのため、非常に高速に表示されるWebサイトの生成が可能である点が、Astroの大きな特徴です。

Astro 3.5の主な新機能

今回リリースされたAstro 3.5は、コンテンツの言語ごとにルーティングを行う「i18n Routing」が実験的機能と実装され、より高速なWebページの表示を実現するプリフェッチ機能への対応、ビルドを超高速化する「Content Collections Build Cache」の実験的実装、画像の最適化などを始めとする多くの機能が含まれており、過去最大のマイナーバージョンアップだとされています。

i18n Routing(実験的実装)
i18nとは「internationalization」の略です(最初の「i」と最後の「n」のあいだに18文字あるため)。i18n Routingではデフォルト言語の設定、相対ページURLを得るための演算、訪問者のブラウザが提供する優先言語による表示などをサポートし、多言語対応のコンテンツを持つWebサイトの構築に対応します。

Prefetch
ブラウザが次にクリックされそうなリンク先の内容をあらかじめ先読みすることで、高速なWebページの表示を実現するPrefetchへの対応がAstro 3.5でコア機能として組み込まれることになりました。オプトインで有効にでき、柔軟な設定が可能になっています。

Content Collections Build Cache(実験的実装)
Content Collectionsは、コンテンツとなるMarkdownファイルやMDXファイルを「blog」や「newsletter」「products」など、コンテンツのジャンルや種類ごとにディレクトリに分けて管理できるようにすることで、大規模なサイトのコンテンツ管理を容易にする機能です。そしてContent Collections Build Cacheは、文字通りビルド時にContent Collectionsのキャッシュを扱う機能です。開発チームが「Astro Docs」プロジェクトでこの機能を試したところ、ビルドプロセス全体で4分58秒から60秒に、約80%短縮されたと説明されています。

その他の新機能については、ブログ「Astro 3.5: i18n Routing | Astro」をご参照ください。

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Junichi Niino(jniino)
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