オラクルはMySQLをこの先どう進化させていくのか、オンプレミスからクラウド上の分散インメモリデータベース、そしてメインストリームなプロダクトへ[PR]

2021年10月28日

MySQLがオラクルの製品群に加わってから10年以上が経過しました。

オラクルが2010年1月にサン・マイクロシステムズの買収を完了したことでオラクル製品群の一部となってからも、MySQLはオープンソースの代表的なデータベースとして、GPLと商用版のデュアルライセンスを維持し続けています。

と同時にMySQLは2010年以降も着実に機能や性能を向上させてきました。

2010年に登場したMySQL 5.5ではInnoDBがデフォルトのデータベースエンジンとなり耐障害性や性能が大きく向上。

2015年に登場したMySQL 5.7ではさらに最大で3倍の性能向上とマルチソースレプリケーションなどのレプリケーション機能などの強化、

2018年に登場したMySQL 8.0でもさらに最大2倍の性能向上やJSON対応の強化、地理データへの対応などを実現してきました。

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MySQLはクラウド市場でも存在感を増してきました。現時点でAWS、Microsoft Azure、Google Cloudを含む大手クラウドベンダすべてで、MySQL互換とされるデータベースサービスが提供されています。

MySQLおよびその互換APIは、クラウドにおけるデータベースの事実上の標準の1つになったと言ってよいでしょう。

そしてオラクルは2020年代に入り、クラウドにおけるMySQLの強化をさらに加速しはじめています。次はその点に注目してみます。

MySQLの開発元が提供する純正の「MySQL Database Service」開始

2020年、オラクルはMySQLの開発元が提供する純正のデータベースサービスとなるOracle Cloud Infrastructure上のマネージドサービス「MySQL Database Service」を投入します。

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Oracle Cloudは同社が「第二世代クラウド(Gen2 Cloud)と呼ぶエンタープライズ向けの最新アーキテクチャを備えており、MySQL Database ServiceはそのOCI上で最初から最適化された設定で利用を開始できます。

マネージドサービスとして提供されるパッチの適用やアップデート、バックアップといった運用もMySQLを知り抜いたオラクルによって実現。

物理的に分離されたアベイラビリティドメイン間でMySQLのグループ・レプリケーションを利用したデータの複製を行い、障害発生時にはフェイルオーバーを行う高可用構成などのオプションも選択可能です。

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これらによりMySQL Database Serviceは、エンタープライズ向けの信頼性と性能、セキュリティを低コストで提供できるサービスと位置づけられます。

もちろん、オンプレミスで使われているMySQLとは100%の互換性を保証しています。

MySQLに分散インメモリエンジンを搭載したHeatWave登場

そして2020年12月に発表されたのが、MySQL Database ServiceにOLAP機能を提供する新機能「HeatWave」です。

HeatWaveにはオラクルが開発したカラム型の分散インメモリデータベースエンジンが搭載されています。スケールアウトによる規模拡大が可能で、テラバイトを超える大規模データにも対応。

MySQLに標準で搭載されているデータベースエンジンInnoDBの400倍だと説明されています。

figHeatWave発表に合わせて行われたプレゼンテーションにて。InnoDBの400倍高速と

これによりMySQL Database Serviceは、OLTPに強いInnoDBとOLAPに強いHeatWaveのデータベースエンジンの両方を搭載するサービスとなりました。

しかもクエリの内容が自動的に判別されて適切なデータベースエンジンで処理されるため、両者の統合的な利用が可能なことも大きな特徴です。

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参考:オラクル、MySQLにOLAP用の独自インメモリデータベースエンジンを搭載、「MySQL Analytics Engine」をOracle Cloud上で提供開始

国内の企業ではファンコミュニケーションズやSCSK、DMM.comがHeatWaveを採用し、事例を発表しています。

ファンコミュニケーションズはAmazon AuroraからHeatWaveへ移行し、アプリケーションを書き換えることなく性能が10倍になりコストも低減。

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SCSKでは、それまでデータ分析のために利用していたETLが不要になりました。HeatWaveでつねに最新のデータに対して分析できて、SQLを変更することなく既存のMySQLの500倍もクエリが高速になったとのこと。

DMM.comでは検証段階で約3億件のデータに対して特定の範囲を取得するクエリにおいて3000倍もの高速化を実証。「クエリを修正せずにクエリ処理が向上するのは驚き」とコメントしています

Autopilotで機械学習によるチューニングと運用支援

HeatWaveも継続的に性能、データ容量、機能の面で改善が加えられてきましたが、なかでも大きな機能追加が今年8月に行われた、機械学習による性能の最適化などを提供する「MySQL Autopilot」です。

HeatWaveの分散インメモリエンジンを適切にチューニングするには、いくつインスタンスを起動し、それぞれにどのようにデータを分散させ、メモリを割り当てるか、分散時のネットワークのオーバーヘッドはどのように考慮するか、などの多くのパラメータを組み合わせる必要があります。

これらの最適化は従来のコストベースやルールベースのオプティマイザでは十分に対応できないため、運用管理者が試行錯誤しつつ決める必要がありました。

MySQL Autopilotは、これらをオラクルが持つ機械学習技術である「AutoML」などを用いて最適なパラメータを提案してくれるともに、運用の自動化も支援してくれます。

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これによりHeatWaveの持つ最大限の能力を、顧客ごとに最適化した状態で迅速かつ効率的に引き出せるようになります。

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Lake Houseを構成するメインストリームなプロダクトの一員に

そしてHeatWaveは今後、オラクルの「Lake House」を構成するプロダクトとしても、位置づけられるようになります。

Lake Houseとは、分析対象となる生データとして蓄積する「Data Lake」と、そのデータを分析する「Data Warehouse」を組み合わせた製品群のことです。

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Lake Houseを構成するDataLakeにはオブジェクトストレージが、Data WarehouseにはOracle Autonomous DatawarehouseとHeatwaveが想定されており、そのほかメタデータ管理やデータ統合などの関連ツール、Hadoopなどオープンソース製品のサービスも含まれます。

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オラクルにとってOracle Autonomous Datawarehouseは以前から明白なエンタープライズ向けのメインストリームに位置づけられる製品です。Lake houseではそこにHeatWaveも並ぶことになります。

MySQLはオラクルの製品群に加わった後もオープンソースであり独立した製品であることを維持してきたと冒頭で書きましたが、同時に同社製品としても独立したラインナップとして、他のOracle Database製品群との連携や統合はそれほど行われてきませんでした。

しかしHeatWaveの登場を契機に、同社の機械学習機能であるAutoMLを用いたAutopilotの実装、そしてLake HouseにおけるData Warehouse製品としてオラクルのデータベース製品群と連携し、Oracle Autonomous Datawarehouseと並んで位置づけられるようになりました。

今後MySQL Database ServiceおよびHeatwaveは、Oracle Cloudが提供するデータベースサービスのメインストリームの一部を構成する製品として、さらに競争力を高めていくことになります。

≫Oracle Live: MySQL Autopilot発表イベント(アーカイブ)

≫MySQL Database ServiceおよびHeatWaveの30日間無料トライアル

(本記事は日本オラクル提供のタイアップ記事です)

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