祝Jenkins15周年、「Developer Productivity Engineering」に貢献してきたことを誇りに思うと川口氏。DevOps World / Jenkins World 2019 Sanfrancisco

2019年9月3日

8月12日から15日にかけて、サンフランシスコのモスコーニセンターで「DevOps World / Jenkins World 2019 Sanfrancisco」が開催されました

今年はJenkinsの15周年にあたります。基調講演にはJenkins開発者である川口耕介が登壇。Jenkins開発当時のことを振り返りつつ、会場の参加者とともに15周年を祝いました。

本記事では、その内容をダイジェストで紹介します(講演は英語で行われており、本記事ではその内容の一部を翻訳して紹介しています)。

Jenkinsの開発当初を振り返る

Jenkinsの開発者 川口耕介氏。

「われわれの業界はドッグイヤーとまでいわれている中で、15年とはなんと長い時間なのかと思います。私には14才の娘がいて、彼女はもう来年にはハイスクールに行くというのですから」

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川口氏はJenkins開発当初を振り返ります。

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「2004年に私はサン・マイクロシステムズのJava Enterprise Editionのチームでソフトウェアエンジニアをしていて、いつもビルドを壊してしまっていました。

ある日の午後、私はあまりにも多くのビルドを壊してしまったことで同僚から電話をもらって、それで机の下にあるSun Workstationを見ながら、私の間違いを同僚が発見する前にプログラムが見つけてくれたら、どんなにいいだろうと思いました。

それがすべての始まりになりました。

そこから自分の環境で作業を始めて、周りの人が協力し、励ましてくれるようになり、いつのまにかジェットコースターのようにその動きはとまらなくなっていって、想像もできなかったようなすごいことがたくさん起きました」

Jenkinsは現在27万インストールに到達し、広く使われるようになったと川口氏。

「ビルドを壊すのは私だけではなく、みなさんもそうでしょう。いまではそれ(Jenkins)が世界中で27万もインストールされるようになり、信じられないことに、さらにその数は増えています」

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「プラグインも、最初は私が自分で10個くらい書いたのを覚えていますが、それが世界中の人がプロジェクトに参加してくれるようになって、いまでは1666個ものプラグインが存在し、大きく発展しました」

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「CloudBeesという会社を立ち上げたことも、私にとって予想外のことでした。これによって多くのコントリビュータが、より多くの時間をJenkinsに費やすことができるようになったし、エンタープライズにとってJenkinsはより信頼できる選択肢になることができて、メインストリームの市場でより大きなインパクトを市場に与えることができるようになりました」

Developer Productivity Engineeringという領域を作り上げた

川口氏はソフトウェア開発者の生産性を向上させるためのエンジニアリングとして「Developer Productivity Engineering」にJenkinsが貢献してきたことを誇りに思う、と語りかけます。

「このプロジェクトが市場のあらゆるところで活用されているのは、みなさんがそこで活躍しているからで、それはまさしく『Developer Productivity Engineering』という領域をみなさんが作り上げたからにほかなりません。

過去10年で起きたこの大きなうねりの一部であることを誇りに思います」

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そして開発者のための生産性向上といった仕事は裏方の役割ではあるけれど、とても誇らしいものだと川口氏。

「ものごとがうまく運んでいるとき、人々はその裏で動いているソフトウェアのことや、それを作っている私たちのことなど気にもしないでしょう。何かあったとしても、私たちはパッチをあてるなどで対処します。そうしたことをこそ誇りに思う人が、私たちの仲間です。

この近くにゴールデンゲートブリッジがあります。とても素晴らしい場所なので、まだ行ったことがない人はぜひ見に行ってほしいのですが、毎日、何千人、何万人という人が通勤などでこの橋を渡っています。

これがどのような技術で作られたか、それがどんなに困難な事業であったのか、といったことを、この橋を渡る人々は気にもとめないでしょう。

私が知る限り、この橋を作ったひとたちの銅像もなく、彼らは名も知れぬ人たちであるけれど、しかし、この橋を作った人たちは間違いなく、自分たちの仕事を誇りに思っているはずです。

私たちも、Jenkinsを作ってきたひとたちも、これからJenkinsを作るであろうひとたちもそうでしょう。

この15年もの旅路に加わっていただいたみなさんに感謝し、Jenkinsが小さな、しかし重要なみなさんの旅路の一部であったことを誇りに思います」

Continuous Delivery Foundation設立は自然な流れ

そのうえで、Jenkinsのさらなる発展のためにJenkinsやSpinnakerなどCI/CDツールの開発をホストする団体「Continuous Delivery Foundation」を3月に作ったのだと。

参考:JenkinsやSpinnakerなどの開発をホストする「Continuous Delivery Foundation」発足。CI/CDの普及とエコシステムの発展を促進

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「私がはじめたこの小さな流れは、やがて多くの人たちの協力を得て、いまや大河になろうとしています。しかしここでとどまることはありません。

だからこそ、Continuous Delivery Foundation(CDF)はJenkinsの自然な発展のあり方だと考えています。

みんなで世界をできるだけ早くよりよい場所へしようとする大きなパワーの1つがオープンソースによる協力であり、CDFはそのためのものだと思います」

基調講演は川口氏のスピーチに続いて、Continuous Delivery Foundationのビジョンや役割についての説明に移っていきました。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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