さくらのクラウド、コンテナをサーバレスで実行する「AppRun」を正式サービスとして提供開始へ
さくらインターネットは、同社のクラウドサービス「さくらのクラウド」で今年(2025年)2月から製品トライアルを行ってきた「AppRun」を、12月9日から正式サービスとして提供開始すると発表しました。
AppRunは、コンテナ化されたアプリケーションを簡単にデプロイし、自動的にスケーリングを行うコンテナ実行基盤を提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)のApp RunnerやGoogle CloudのCloud Runに相当すると言えます。
コンテナ化されていれば実行可能なため、さまざまなプログラミング言語やライブラリなどが利用可能な自由度があります。
具体的にはコンテナイメージを作成し、さくらのクラウドのコンテナレジストリに登録すると、AppRunから、すぐにアプリケーションをデプロイできます。
サーバーの設定やネットワークの構築など、インフラに関する設定や管理は一切不要で、アクセス増加時には自動的にスケールするため、トラフィックの急増にも対応します。
AppRunはKnativeベースで構築
AppRunはKubernetesを基盤に、Kubernetes上でサーバレスを実装するためのオープンソースである「Knative」(ケイネイティブ)を用いて構築されています。
KnativeはGoogle CloudのCloud Runで使われているソフトウェアであり、同社が2018年オープンソースとして公開。2021年にCloud Native Computing Foundationに寄贈されました。
Knativeは今年(2025年)10月に、十分成熟した段階に到達したとして、Cloud Native Computing Foundationの卒業(Graduation)プロジェクトになったことが発表されています。
参考:Kubernetes上にサーバレス基盤を構築できる「Knative」が十分成熟した段階になったとして、CNCFの卒業プロジェクトに
正式版移行時の注意事項
正式版への移行後もコンテナレジストリに登録されているイメージに変更はないものの、実行時には以下の注意事項があると説明されています。
- β版及びCR版サービスにて作成されたアプリケーションはすべて削除されます。
- 正式サービス化以降に作成されたアプリケーションの公開URLは、β版及びCR版サービスにて作成されたアプリケーションの公開URLと同一とすることはできません。
- ログ・メトリクスの設定を行われているお客様の、モニタリングスイートサービス上の設定情報等は削除されません。お客様のご判断にて対応をお願いします。

