AWS、オープンソースのコンテナ開発ツール「Finch」のWindows版リリース。コンテナのビルドや実行環境一式
AWSは、ローカルマシン上にLinuxコンテナのランタイム、ビルドツール、コマンドラインツールなど一式を簡単にインストールし、コンテナを用いた開発環境を開始できるソフトウェア「Finch」のWindows版を公開しました。
Finchは以前からIntelプロセッサもしくはAppleシリコン搭載のMacに対応していました。今回のWindows対応によってmacOSとWindowsの両方に対応したことになります。
Finch 1.0 has arrived! The #opensource source project has reached a significant breakthrough. Finch is now available for Windows Developers. Learn how to install Finch on Windows and contribute here: https://t.co/ayYpo08giE #opensource #developers #containers pic.twitter.com/jxXA44jzL6
— AWS Open Source (@AWSOpen) February 1, 2024
参考:AWS、Docker Desktop代替となり得る「Finch」をオープンソースで公開。ローカルマシンに仮想環境とコンテナランタイム、ビルドツールなど一式を導入
Finchは、Docker DesktopやRancher Desktopのように、ローカルマシンにコンテナランタイムやビルドツールなどのコンテナ環境一式を簡単に導入できるソフトウェアです。
ただしDocker Desktopのようなグラフィカルなインターフェイスを持たず、すべてをコマンドラインから操作するコマンドラインツールによって構成されているのが特徴です。
Windows上にコンテナ関連ツール一式を簡単に導入
Windows版のFinchは、Windows内でLinux環境を提供するWSL 2(Windows Subsystem for Linux 2)を用いており、そのLinux環境に「finch-lima」と呼ばれるLinuxディストリビューションを導入、実行し、このfinch-limaのLinux上でコンテナのビルドや実行などを行います。
Windows版Finchの構成はmacOS版と同様に、OS上にLinux仮想マシンを構築する「Lima」、Limaの中にデフォルトで含まれているコンテナランタイムのcontainerd、ビルドツールの「BuildKit」、Dockerを用いなくともDockerコマンドのようにコマンドラインからcontainerd経由でコンテナを操作できる「nerdctl」(nerdctlのnerdはcontainerdのnerd)などです。
今回Windows版が実現したのは、macOS上にLinux仮想マシンを構築するLimaをWSL 2にも対応させたことによると説明されています。
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