Google Cloud、インテルと共同開発したASIC「Infrastructure Processing Unit(IPU)」採用を発表。FPGAベースのSoCでサーバ本体の処理をオフロード

2022年10月17日

Google Cloudとインテルは、両社が共同開発したクラウド基盤用のASIC「Intel Infrastructure Processing Unit」(Intel IPU)のGoogle Cloudでの採用を明らかにしました。

今回採用されたIPUはコードネーム「Mout Evans」として開発されたSoC(System on a Chip)です。

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FPGAベースのプログラマブルなコアを持つシステムとしてネットワークインターフェイスに搭載され、仮想スイッチ、キューイング、QoS制御などさまざまな処理をサーバのCPUからIPUにオフロードでき、高速かつセキュアなI/Oを実現します。

これにより、CPUの能力を最大限ユーザーのワークロードに振り向けつつ、従来よりセキュアなクラウド基盤の構築を可能にしています。

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インテルは2021年にIPUを発表していましたが、今回初めてGoogle Cloudへの採用が明らかになりました。

参考:インテル、新デバイス「Infrastructure Processing Unit」(IPU)発表。スマートNICを拡張しストレージ仮想化やネットワーク仮想化処理などCPUからオフロード可能に

今年(2022年)8月に発表されたVMware vSphere 8でも、SmartNICへ処理をオフロードする機能が発表されており、今後こうしたNICへの処理のオフロードが一般化していくことになると予想されます。

参考:VMwareが「vSphere 8」と「vSAN 8」を発表。SmartNICへ処理をオフロード、SSDに最適化したアーキテクチャで高速化など

Nitro Systeで何年も先行していたAWS

I/Oの処理などをサーバ本体から周辺機器へオフロードする仕組みは、AWSがNitro Systemと呼ばれる自社開発したシステムで以前から採用しており、2017年に行われたイベント「AWS re:Invent 2017」では、すでにその概要を発表しています。

参考:Amazon EC2の最新基盤として「VMware Cloud on AWS」や「EC2ベアメタル」の実現にもつながったAWSの「Nitro System」とは?

今回、これに類似したシステムがインテルやVMwareから製品として登場したということは、AWSがクラウド基盤分野で何年も先行していたことを示すものと言えそうです

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