Google、Facebook、マイクロソフトらが、OSカーネルをプログラマブルに拡張できる「eBPF」の開発と発展を目指す「eBPF Foundation」を結成

2021年8月17日

eBPFとは、Linuxカーネルのコードを変更することなく、カーネルの持つさまざまな機能をフックすることでカーネルに対してある種の機能拡張を実現する技術です。

このeBPFの開発促進や発展を目指す「eBPF Foundation」が、Linux Foundation傘下で発足しました。発足メンバーはGoogle、Facebook、マイクロソフト、Netflix、Isovalentの5社。

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一般にOSカーネルの機能の変更や拡張を行うには、カーネルのソースコードを書き換え、再コンバイルしなければなりません。そのため、例えばカーネル内のネットワーク関連の機能を拡張してプロトコルやセキュリティを追加したいと思っても、その実現には手間がかかり、簡単に試すこともできません。

eBPFはカーネルの持つさまざまな機能をフックし、フック先ではカーネルをクラッシュさせることがないようにサンドボックス化されたプログラムを実行することができます。これによりカーネルに対してプログラマブルに機能拡張が可能になります。

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例えばカーネル内の処理に対するプロファイリングやトレース、パフォーマンスのトラブルシューティング、システムコールの監視によるセキュリティ強化など、さまざまな機能追加の可能性が考えられるでしょう。

eBPFはLinuxカーネルを対象に開発が進んできましたが、マイクロソフトも今年5月にはWindowsカーネルに対してeBPFの互換機能を提供することを表明しています。

eBPFはカーネル拡張の事実上の標準となる仕組みだと言っていいと思います。

eBPF FoundationはeBPFの開発と発展を促進

今回発表されたeBPF Foundationは、このeBPFの開発と発展を促進する目的のために結成されました。

Linux Foundationの発表では、その目的について次のように説明されています。

The eBPF Foundation will expand the significant level of contributions being made to extend the powerful capabilities of eBPF and grow beyond Linux. It will be the home for open source eBPF projects and technologies and nurture the community through a variety of activities, including summits and other collaboration events in order to further drive the growth and adoption of the eBPF ecosystem.

eBPF Foundationは、eBPFの強力な機能を拡張するために行われる重要な貢献をさらに拡大し、Linuxを超えて成長させていくつもりです。eBPF Foundationは、オープンソースのeBPFプロジェクトや技術の拠点となり、eBPFエコシステムの成長と普及を促進するために、サミットやその他のコラボレーションイベントなどの様々な活動を通じてコミュニティを育成します。

その皮切りとして、8月18日と19日の2日わたって、オンラインイベント「eBPF Summit 2021」の開催が発表されています。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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