マイクロソフト、「Microsoft Edge for Linux」プレビュー版をついにリリース。なぜマイクロソフトがLinux版を開発しているのか?
マイクロソフトは、同社のWebブラウザ「Microsoft Edge」のLinux対応版をプレビューとして公開したと発表しました。
現時点で対応するLinuxディストリビューションは、Ubuntu、Debian、Fedora、openSUSE。
We have five (perfect) words for you this morning:
— Microsoft Edge Dev (@MSEdgeDev) October 20, 2020
Microsoft Edge, now for Linux. https://t.co/9vSXcSdz9G
Microsoft EdgeのLinux版プレビューリリースは、Microsoft Edge InsiderのWebページもしくはLinux Software Repository for Microsoft ProductsのWebページから入手可能です。
なぜマイクロソフトはMicrosoft EdgeのLinux版をリリースするのか
Micorosft EdgeのLinux対応が進められていることは公然の秘密としてこれまで語られてきましたが、先月開催されたオンラインイベント「Ignite 2020」でプレビュー公開の予定が初めて発表されました。
マイクロソフトがMicrosoft EdgeのLinux版をリリースする目的は、「Microsoft 365」を強化するという製品戦略にあると考えられます。
マイクロソフトはMicrosoft Edgeを単純なWebブラウザソフトウェアとしてではなく、サブスクリプションモデルでWindowsやOffice、OneDriveなどを含むビジネス向けソフトウェアスイートを提供する「Microsoft 365」の一員として位置付けています。
そして現在Microsoft 365の新機能として同社が開発中の、エンドポイントにおける統合的なガバナンスとデータ保護を実現する「Endpoint Data Loss Prevention」はMicrosoft Edgeもサポートしており、管理者による集中管理の対象となります。
これにより、例えば会社から提供されておらず管理対象にもなっていないユーザー自身が所有するデバイスをリモートワークで用いても、管理されたWebブラウザにより安全なエンドポイントを実現する、といったことが可能になるのです。
Microsoft Officeを含む多くのビジネスアプリケーションがWebアプリケーションとして利用可能な現在、すでにMicrosoft Edgeは、Windows、Mac、iOS、Androidをサポートしています。
これにLinuxが加わることで、同社はMicrosoft Edgeを通じて、Microsoft 365をあらゆるOSをサポートする包括的なビジネスアプリケーションプラットフォームとして強化できることになるわけです。
少し踏み込んだ表現をすれば、マイクロソフトはMicrosoft Edgeの対応OSを広げることで、WindowsではないOSのユーザーに対しても幅広くMicrosoft 365のユーザーになってもらえるように製品を強化している、そう言い換えてもいいのかもしれません。
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