AWS、独自開発したARMベースの「Graviton 2」プロセッサを、「Amazon ElastiCache」のデフォルトプロセッサに

2020年10月16日

Amazon Web Services(AWS)は、同社がマネージドサービスとして提供するインメモリキャッシュサービスの「Amazon ElastiCache」において、プロセッサの選択肢のデフォルトが「Graviton 2」プロセッサになることを明らかにしました

これは、AWSが10月8日付で公開した「Amazon ElastiCache が、M6g および R6g Graviton2 ベースのインスタンスをサポートするように」の発表の中で、「Graviton2 インスタンスは、ElastiCache のお客様のデフォルトの選択肢になりました。」とさりげなく発表されたもの。

この発表の中でAWSは、Graviton 2ベースのインスタンスを用いたAmazon ElastiCacheは従来より最大45%の価格性能比の向上が見込めるとしています。

マネージドサービスであればプロセッサの種類は気にならない

Graviton 2はARMプロセッサをベースにAWSがクラウドで使うために設計開発したプロセッサです。2019年12月に開催されたイベント「AWS re:Invent 2019」で発表されました。

Graviton 2を用いたインスタンスは、x86を用いたインスタンスよりも価格性能比が40%向上していると説明されています。

Amazon ElastiCacheは、RedisもしくはMemcached互換のインメモリキャッシュをマネージドサービスで提供します。ミリ秒未満という小さなレイテンシを実現するのが最大の特徴です。

マネージドサービスであれば、ユーザーにとってちゃんとサービスが動いてくれさえすればプロセッサは何が使われていても気にしません。より安く使えればそれでよいのです。それが、Amazon ElastiCacheでGraviton 2プロセッサをデフォルトにした理由でしょう。

と同時に、Graviton 2の方が従来のXeonベースのインスタンスよりも同じ性能でより安く提供できる、という自信の表れともいえます。

ちなみに、今年の8月にはAmazon RDS MySQL/PostgreSQLでのGraviton 2プロセッサの利用もプレビューとして始まっています。

AWSのGraviton 2はマネージドサービスの裏側で着実に実績を積み始めているといえそうです。

Tags: AWS クラウド ARM

このエントリーをはてなブックマークに追加
ツイート
follow us in feedly





タグクラウド

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準

アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本