GitHubがイランなどからアクセス不可に、米国の経済制裁により。CEOのフリードマン氏「望んでやっているのではない」
米国は、2015年に欧米とイランが結んだ「イラン核合意」から2018年5月に離脱し、イラン産原油の輸入禁止をはじめとした経済制裁を強めています。
その経済制裁は当然、米国企業の活動にも影響を及ぼしています。
7月26日(米国時間)、GitHubがイランからアクセスできなくなったことが明らかになりました。これによりイランのITエンジニアは突然、GitHubを利用することができなくなりました。
この制限は突然行われたため、特にイランのエンジニアのあいだで混乱がありましたが、7月28日になって、GitHub CEOのNat Friedman(ナット フリードマン氏)がTwitterのツイートで、法律に従って制限を実行したことを認める発言をしました(ツイートの下に参考訳を追加しています)。
(私にとって、経済制裁が人々を傷つけていることを聞くのは苦しいことです。私たちは法律が要求する制限以上のことを行わないよう、多大な努力を払ってきましたが、それでも影響を受けないわけにはいきません。米国で事業を行っている他社と同様に、GitHubは米国の通商法下にあるのです。)It is painful for me to hear how trade restrictions have hurt people. We have gone to great lengths to do no more than what is required by the law, but of course people are still affected. GitHub is subject to US trade law, just like any company that does business in the US.
— Nat Friedman (@natfriedman) July 28, 2019
To comply with US sanctions, we unfortunately had to implement new restrictions on private repos and paid accounts in Iran, Syria, and Crimea.
— Nat Friedman (@natfriedman) July 28, 2019
Public repos remain available to developers everywhere – open source repos are NOT affected.
(米国の経済制裁措置を遵守するため、残念ながらイラン、シリア、およびクリミアに対して、プライベートリポジトリおよび有料アカウントに新たな制限を課さざるを得ませんでした。公開リポジトリについてはどの国の開発者であっても利用可能です ー オープンソースリポジトリも影響を受けません。)
The restrictions are based on place of residence and location, not on nationality or heritage. If someone was flagged in error, they can fill out a form to get the restrictions lifted on their account within hours.
— Nat Friedman (@natfriedman) July 28, 2019
More info is on our policy page: https://t.co/fIobt1pU5E
(この制限は居住地と場所に基づいており、国籍や立場には基づいていません。誤ってフラグが立てられた場合は、数時間以内にアカウントの制限を解除するためのフォームに記入することができます。)
Users with restricted private repos can also choose to make them public. Our understanding of the law does not give us the option to give anyone advance notice of restrictions.
— Nat Friedman (@natfriedman) July 28, 2019
(プライベートリポジトリが制限されているユーザーであっても、それをパブリックにできます。私たちの理解では、法律においてこの制限を事前に通知することはできませんでした。)
We're not doing this because we want to; we're doing it because we have to. GitHub will continue to advocate vigorously with governments around the world for policies that protect software developers and the global open source community.
— Nat Friedman (@natfriedman) July 28, 2019
(私たちは決してこれを望んでしているのではありません、せざるを得なかったのです。GitHubは世界中の政府に対して、ソフトウェア開発者と世界のオープンソースコミュニティを保護するためのポリシーを引き続き積極的に提唱していきます。)
この措置に対してイランの開発者の一人である1995parham氏は「github-do-not-ban-us」というリポジトリを公開、声明を発表しています。
米国は日本も含む各国にも、対イラン経済制裁の足並みを揃えるように求める姿勢を見せつつあります。
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2021年1月、イランに対する制限が解除されることが発表されました。
- [https://www.publickey1.jp/blog/21/github_6.html GitHub、イランからの利用制限を解除へ。政府と交渉の末]
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