Angular 8正式版リリース。高速レンダリングエンジン「Ivy」、モダンブラウザ用と非モダンブラウザ用のJSコードを動的に使い分ける「Differential Loading」など
Webアプリケーション用のフレームワーク「Angular」の最新版となる「Angular 8」がリリースされました。
Angularは2017年4月に登場したAngular 4から、半年ごとにメジャーバージョンアップが行われるリリースサイクルを採用しています。Angular 8はこのリリースサイクルに従って、2018年10月に登場したAngular 7に続くメジャーバージョンアップです。
次世代高速レンダリングエンジン「Ivy」実験的搭載
Angular 8では、新しく開発された高速なレンダリングエンジン「Ivy」が搭載されました。
Ivyは2018年5月のng-conf 2018で発表され、モバイルデバイスでも十分に動作するほど小さく高速で、開発者にとって利用しやすいシンプルなAPIなどを備えたレンダリングエンジンとして開発が進められてきました。
Ivyは従来のレンダリングエンジンに対して後方互換性を備えていますが、Angular 8では実験的搭載としてデフォルトではオフになっており、設定を明示的に有効にすることで利用できるようになっています。
また、ビルドツールのBazelについても今回のAngular 8から実験的搭載が始まりました。
IvyとBazelは次のAngular 9で安定版として正式に利用が開始される見通しです。
Differential Loadingが利用可能に
Angular 8の最大のメリットは、Differential Loadingが利用可能になったことでしょう。
Differential Loadingとは、Angular CLIがJavaScriptコードを生成する際に、ECMAScript 2015仕様に対応したモダンブラウザ用のコードと、ECMAScript 5に対応した非モダンブラウザ用のコードを両方生成し、アプリケーション実行時にブラウザ環境に応じて適切な方をロードする、というものです。
これによってモダンブラウザ環境用により効率的で高速なコードが生成できるようになり、バンドルサイズが7%から最大20%程度縮小されると説明されています。
参考:バージョン8.0とIvyの計画 – Angular Japan User Group – Medium
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