イングランド銀行、現代コンピュータの生みの親「アラン・チューリング」氏を新50ポンド紙幣の顔にすると発表

2019年7月16日

イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は、2021年末頃までに登場する新しい50ポンド紙幣のデザインに、アラン・チューリング氏の肖像を採用すると発表しました

アラン・チューリング氏は、「チューリングマシン」と呼ばれる現代的なコンピュータの基本的な動作モデルを作り出した人物として世界的に知られている数学者、コンピュータ科学者です。

ある機械が知的かどうかを判定するためのテストとして彼が考案した「チューリングテスト」も非常に有名で、人工知能の分野にも大きな足跡を残しました。

第二次世界大戦時には、解読が困難とされていたドイツのエニグマ暗号を解読する機械を開発し連合軍の勝利に貢献しました。しかしこのことは機密にされていたため、長年にわたりこの業績が評価されることはありませんでした。

こうした多くの優れた業績にもかかわらず、晩年には同性愛者として社会からの非難にさらされ、41歳の若さで自殺したとされています。

彼の死後になってその業績は再び評価されるようになり、2014年には彼がエニグマ暗号の解読に挑む姿を描いた映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」が公開(日本では2015年公開)されるまでになっています。

イングランド銀行総裁 Mark Carney氏は、チューリング氏の肖像が新50ポンド紙幣に採用されるにあたり、次のようにコメントしています。

Alan Turing was an outstanding mathematician whose work has had an enormous impact on how we live today. As the father of computer science and artificial intelligence, as well as war hero, Alan Turing’s contributions were far ranging and path breaking. Turing is a giant on whose shoulders so many now stand.

アラン・チューリング氏の数学者としての優れた業績は、現在の私たちに多大な影響を与えています。コンピュータサイエンスや人工知能の父であり、戦争における英雄であり、その功績はあまりにも広大です。いまやチューリング氏は巨人であり、多くの人たちはその肩の上に立っているのです。

チューリング氏の肖像は、イングランド銀行がここ数年導入を始めている、紙ではなくプラスチック素材を用いた最新のポリマー紙幣の上に描かれることになるはずです。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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