開発者らが日常業務から2日間離れ、自由なアイデアの実現に集中するメルカリの社内ハッカソン「Go Bold Day」とは。Mercari Tech Conf 2018

2018年10月10日


さまざまなアイデアを1日から数日かけて集中的に開発するイベント、いわゆる「ハッカソン」は、企業などが主催し参加者を広く募集して行う形式がよく知られています。

また最近では、企業内で従業員を集めた「社内ハッカソン」を行い、社内のアイデアやコラボレーションの活性化とともにプロダクトの改善を狙う企業も増えてきているようです。

10月4日に都内で行われたメルカリ主催の技術カンファレンス「Mercari Tech Conf 2018」では、メルカリが社内で行っているハッカソン「Go Bold Day」が紹介されました。

本記事では、メルカリが行っている「Go Bold Day」とはどのようなものか、米メルカリのエンジニアリングマネージャ Dani Arnaout氏が説明したセッション「Go Bold Day」をダイジェストで紹介します。

Go Bold Day

「こんにちは」。私が話せる日本語はこれだけなので、あとは英語で説明します。米国でエンジニアリングマネージャをしているDani Arnaoutです。

fig1

これから、2018年6月27日のできごとをご紹介しようと思います。

この日、米国のオフィスでは、通常の仕事はせず、みんなで集まってアイデアを話し合い、これまでになかったようなテクノロジーをどう製品に活かすかを話し合っていました。

そしてこれを「Go Bold Day」と呼ぶことにしました。

fig2

みんなで集まってアイデアを話し合ったわけですが、そのとき、一人ずつ前に出て1分間のプレゼンピッチを行いました。

fig3

すると、たくさんの良さそうなアイデアが集まりました。

例えば「3D Photo Capture」。メルカリで何かを売ろうとしたとき、出品する人は品物がどんなものか分かるように写真をメルカリに載せます。この写真を何枚か使って3Dモデルを作り、どの角度からでも見られるようにするというものです。

こうしたアイデアを出し合った後で、アイデアに賛同するメンバーごとに会議室に集まってチームを作り、ブレインストーミングを開始します。ソフトウェアエンジニアはもちろん、プロダクトデザイナーやプロダクトマネージャやマーケティング担当など、誰でも参加できます。

fig4

そしてGo Bold Dayのルールとして、2日以内にそのアイデアを実装してみんなの前でデモを行い、それがメルカリの実際のサービスに組み込めるかどうか検討することにしました。

2日間のGo Bold Dayで実現したアイデアとは

実際に開発作業を行った後、デモを行いました。

fig5

デモでは、エミュレータがクラッシュする人や、デモが壊れてしまってコードで説明した人などもいましたが、それもOKです。

ではこの2日間で実際に作られたものをいくつか紹介しましょう。

1つ目は「First Photo Suggestion」です。

出品者がメルカリに掲載する写真のなかでも、1枚目の写真はとても大事です。というのも、メルカリの検索結果の画面では1枚目の写真がつねに表示されるからです。

しかし、このことに気づいていない出品者も多くいます。

そこで、どれが1枚目にもっともふさわしいかを自動的に判別し、出品者に提案するのが、この「First Photo Suggestion」機能です。

例えば靴を出品する人が3枚の写真をメルカリに登録したとき、1枚目は靴の箱の写真、2枚目の写真が靴の写真だったとき、この機能が2枚目の写真をハイライトして、こちらを1枚目にするように提案してくれます。

出品者は写真をスワイプして順番を変えることで、この写真を簡単に1枚目にできます。

次の例は、「Instant Purchase」です。

これは出品者に「Promote Item」という機能を提供します。出品者がこのボタンを押すと品物の価格が10%値下げされると同時に、その品物に「いいね」してくれた人たちに通知が飛びます。そしてクリックするだけで、すぐにその品物を買うことができるのです。

これによって、迅速に品物を売ることができるようになります。

3つ目の例は「Instant Listing」です。

出品するためには、品物を撮影し、タイトルを付け、価格を設定し、カテゴリや状態を入力する、などの手間がかかります。これを簡単にしたい。

そこで、多くの品物に付いているバーコードを利用します。例えば本ならば、バーコードをスキャンするだけで必要な項目がすべて自動的に入力されるだけでなく、適切な価格も提案するのです。

これで簡単に出品できるようになります。

こうしたことが、Go Bold Dayを実施することで開発できたのです。

Go Bold(大胆にやろう)を実現する

メルカリにおいて「Go Bold」(大胆にやろう)はコアバリューの筆頭です。

fig6

これは自分に任せられている仕事だけでなく、あらゆる技術やアイデアを用いて、サービスをよくしたり、あるいは仲間を支援することなどを指します。

米メルカリのチームは日本のチームに比べるとまだとても小さく、それゆえに個人が貢献できる余地が大きくて、大胆に取り組む(Go Bold)ことの意義も大きいと言えます。

fig7

米メルカリチームへの参加は必ずしも米国へ来る必要はなく、日本にもエンジニアとプロダクトとQAチームがいて、つねに協力して作業をしています。

以上です、ありがとうございました。

公開されているスライドはこちら

Mercari Tech Conf 2018

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