Rubyの実行速度をJITで最大20倍に高めたRubinius 1.0がリリース

2010年6月16日

Engine Yardは、Rubyの実行環境であるRubinius 1.0の一般提供(General Availability)開始を6月9日付けで発表しました

Rubinius : Use Ruby™

Rubiniusは、高速なRuby実行環境を目指してRubyとC++で開発されたもの。内部はバーチャルマシンになっており、LLVM(Low Level Virtual Machine)を用いて実行時にバイトコードをネイティブコードに変換するなどで最大20倍の高速な実行を実現していると説明されています。また、モダンなメモリ管理も実装し、大規模なアプリケーションでの使用メモリ量の減少も実現。

現在のRubiniusがターゲットにしているのはMRI 1.8.7(MRI、Matz's Ruby Interpreter)。既存のRubyとの互換性はRubySpecによると93%。RMIのRuby実装と同様のC-APIを備えているため、MRI用のCエクステンションもそのまま利用可能とのこと。

Rubiniusは、Ruby on RailsのPaaS環境を提供するEngine Yardが主なスポンサーとなってオープンソースで開発されています。Engine Yardは昨日の記事「Ruby on RailsのEngine YardをVMwareが買収か?」で伝えたように、VMwareによる買収の可能性が伝えられているベンチャー企業。

Rubyはこれまで、その実行速度の遅さが取り上げられたり、一方でRuby開発者のまつもと氏が「今や性能は大きな問題ではなくなっている」と発言するなど、しばしば実行速度については議論の的になってきました。

Rubyのオリジナル実装でもYARV(Yet Another Ruby VM)を取り入れるなどの高速化を図ってきましたが、PaaSのように開発者自身がRubyの実行環境を用意する必要のないあらかじめ用意されたRuby環境の中でRubinius 1.0が提供されるようになれば(そして互換性がより高まれば)、利用者はあまり実装の違いを意識することなく高速なRuby実行環境を簡単に享受できるようになり、そのよりよい環境がRubyの普及につながるのではないでしょうか。Engine YardがRubiniusに注力するのも、このことを狙ってのことではないかと思われます。

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly


関連タグ プログラミング言語 / Ruby / システム開発



タグクラウド(β版)

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準
アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed


最新記事10本