オラクルがパブリッククラウドへの参入を明日発表か?
サンフランシスコでオラクルのイベント「Oracle OpenWorld 2010」が始まり、同社CEOのラリー・エリソン氏が昨日の基調講演で「クラウド・イン・ア・ボックス」と呼ぶマシン「Exalogic Elastic Cloud」と、クラウドレディな業務アプリケーションスイートの「Fusion Applications」を発表。ついにクラウドへの参入を果たすこととなりました。
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しかし同社はクラウド戦略の切り札をまだ隠しているのではないか? とも思える情報があります。
オラクルのパブリッククラウド?
昨日の基調講演の中で、次のようなプレゼンテーションがありました。重要と思われる部分に赤線を引いてあります。
エリソン氏がUnbreakable Enterprise Kernelの紹介を終え、Fusion Applicationsの紹介に入る前に見せたプレゼンテーションです。「Additional Important Technology Announcements」(技術分野での重要な追加的発表)の下の本文、赤線を引いたところに次のように書いてあります。
Cloud Services:Applications on Our Public Cloud
Tuesday: Joanne Olsen and Thomas Kurian
これをそのまま理解すれば、火曜日の基調講演(日本時間22日水曜日)でクラウドサービス(Cloud Services)に関して、パブリッククラウド上のアプリケーション(Applications on Our Public Cloud)を紹介しますよ、ということになります。
オラクルのパブリッククラウドによるサービス? オラクルはパブリッククラウドへの参入を発表するのでしょうか? その上のアプリケーションということは、それはSaaSになるのでしょうか?
オラクルはこれまでも「Oracle On Demand」というブランドでマネージドサービス的な、あるいはSaaS的なサービスを展開してきてはいますが、実体としてはホスティングに近いサービスと言われており、オラクル自身もこれを「クラウド」と呼ぶことはありませんでした。
しかしオラクルは今回のOracle OpenWorldで、「クラウド・イン・ア・ボックス」なマシンと、「クラウドレディ」な業務アプリケーションスイートを発表しました。つまり、インフラからアプリケーションまでクラウドを展開する部品がすべて手もとにあるのです。
あとはそれを展開するデータセンターさえ用意すれば、いつでもクラウドサービスが提供できるようになるはずです。そしてオラクルの製品はたしかにクラウドを構築する能力があることを証明できます。顧客には「これでクラウドが構築できます」とすすめておいて、自分ではやらない、という手はないでしょう。
ちなみに、基調講演で名前があがっているJoanne Olsen氏は、最近IBMからオラクルに移籍し、On Demand部門のシニアバイスプレジデントに就任した人物。
ということは、少なくとも水曜日にはOn Demandサービスに関して、みずから「Our Public Cloud」と、と呼ぶなんらかの新たなサービスがオラクルから発表されることになりそうです。
個人的には、オラクルがOracle Databaseを運用してくれて、Javaでアプリケーションが開発できるPaaSを始めたら非常に魅力的ではないかと思うのですが。
もちろん発表があれば、このPublickeyで国内のどのメディアよりも早く、詳しく情報をお届けする予定です。
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