[速報]オラクルがクラウドで大攻勢。クラウド・イン・ア・ボックスのExalogic発表。Oracle OpenWorld 2010

2010年9月20日

オラクルのCEOであるラリー・エリソン氏は以前からクラウドの流行に反発し、「クラウドの何が一体新しいのか?」といった発言を繰り返してきました

しかし今日9月20日(現地時間9月19日)、サンフランシスコで行われているOracle OpenWorldで基調講演に立ったエリソン氏は、クラウドに対応したハードウェア、ソフトウェアの製品を次々に発表。ついにオラクルのクラウド分野での攻勢が始まりました。

その基調講演の内容を2つの記事で紹介しましょう。本記事では新しく発表されたハードウェアの「Exalogic Elastic Cloud」を、そして次の記事では新しく発表されたソフトウェアの「Unbreakable Enterprise Kernel」と「Fusion Applications」について紹介します

エリソン氏が問う、クラウドの定義とは?

ラリー・エリソン氏登場。クラウドの話からしよう。みんなが「クラウド」という言葉をいろんな意味で使っている。クラウドは何が新しいのか? 何が本当のイノベーションなのだろうか?

例えば、セールスフォース・ドットコムは10年前からそのテクノロジーを使っている。一方でクラウドがポピュラーになったのはAmazon EC2が登場してからだ。しかし両者はあまりに違う。

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Amazon EC2はアプリケーションプラットフォームであり、LinuxやJavaに対応し、あらゆるアプリケーションを走らせることができる。仮想化技術を使っており、アプリケーションは仮想化によってほかのアプリケーションと分離され守られている。

そしてコンピュータリソースは仮想化によるリソースプールによって伸縮性(Elastic)があり、ダイナミックにサーバを追加したり、不要になったら解放してリソースプールに戻すことができる。そして使った分だけ課金される。

これがAmazon EC2であり、クラウドと呼ばれているものだ。それはプラットフォームであり、仮想化をベースにし、伸縮自在である。

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しかしセールスフォース・ドットコムはSFAのアプリケーションと、限られた種類のアプリケーションのためのプラットフォームでしかなく、仮想化も使われておらず、課金もユーザー数ごとに行われている。このようなものをクラウドとは思わない。

オラクルはAmazonとクラウドの定義について合意をした。それは標準をベースとしたアプリケーションのプラットフォームであり、仮想化と伸縮性を備え、パブリックでも、ファイアウォールの内側でプライベートとしても提供されるものだ。

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クラウドを箱に収めた「Exalogic Elastic Cloud」

そしてオラクルの新しいマシン「Exalogic Elastic Cloud」を紹介しよう。これはクラウドを1つに収めた(クラウド・イン・ア・ボックス)ものであり、サーバ、ネットワーク、ストレージ、仮想マシン、OS、ミドルウェアが組み込まれている。あらゆるソフトウェアを開発し、展開し、実行できる。

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この筐体にはサーバが30台、360コアが搭載されており、アプリケーションを乗せたストレージアプライアンスも内蔵。ネットワークはInfinibandを利用し、データベースとしてExadataを接続する。

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ソフトウェア構成は、VMのゲストOSとしてSolarisとLinuxの2つに対応する。そして、最適化のためのExalogic Elastic Cloud Softwareがあり、JRockit、WebLogic Server、Coherenceが走る。

筐体内の30台のサーバはそれぞれにメモリを搭載しているが、Coherenceがそれらを同期し、まるで1つの統合化されたメモリとして巨大なサーバに見せ、驚異的な性能を発揮できる。

しかも単一障害点がなく、フォールトトレラントでスケーラブルなアーキテクチャを備えている。何らかのメモリやソケット、ソフトウェアが万が一落ちても、全体として稼働し続けることが可能だ。複数のアプリケーションを実行しても、仮想マシンによってそれぞれは安全に分離される。

メンテナンスも簡単だ。VM、OS、ミドルウェアのアップデートのパッチは1ファイルで当てることができる。アップデートパッチを当てるのは手間のかかるプロセスだったが、それをシンプル化した。

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これがExalogicの性能だ。HTTPリクエストは1秒あたり100万回こなせる。これは、リクエスト回数だけならFacebookのトラフィックを2台でまかなえる性能に相当する。

メッセージングは1秒間に180万回。中国鉄道の発券回数を1台でまかなえる性能に相当する。

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この性能を実現しているハードウェアは、30台のサーバ、360コアで、2.8TBメモリ、960GBのSSDストレージ。Infinibandは、40GB/秒のバンド幅と1.2マイクロ秒のレイテンシ、10GbEも備えており、データセンターではイーサネットに接続できる。

ストレージはストライプにより冗長化されており、データを失うことがないようになっている。

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ExalogicはInfinibandでExadataと接続して利用でき、OLTP性能を3倍向上させる。

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Exalogicは、CRMのSiebelも、財務会計のPeopleSoftも、E-Business Suiteも、あらゆるアプリケーションを走らせることができる。そして、アプリケーション間での処理要求に応じてCPU、メモリ、ストレージなどのすべてでロードバランスが行われる。

Exalogicは4分の1ラックから8ラックまで、拡張可能だ。

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まとめよう。Exalogic Elastic Cloudとはプラットフォームであり、仮想化されて伸縮可能なものである。そしてあらゆるソフトウェアが実行できる。標準ベースのハードウェアとソフトウェアで構成されており、最高の性能とコストパフォーマンスを提供する。

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クラウド対応アプリケーションの発表へ

エリソン氏は続いて、独自のLinuxカーネルである「Unbreakable Enteprise Kernel」と、クラウド対応の業務アプリケーションスイート「Fusion Applications」の発表へと進みます。それらは次の記事「[速報]オラクルがクラウド対応の「Fusion Applications」披露。独自Linux Kernelも。Oracle OpenWorld 2010」で紹介しましょう。

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カテゴリ クラウド
タグ  Oracle , サーバ


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