外部リンクへの接続などを高速化する「dns-prefetch」、安定して使えるWeb標準「Baseline」に
主要なWebブラウザで安定して利用できるWeb標準としてラベル付けされる「Baseline」に、「dns-prefetch」が入ったことが発表されました。
外部ドメインの名前解決をあらかじめ実行
通常、HTML内で外部ドメインなどへのリンクが記述されている場合、リンクがクリックされた時点など、そのリンクへの参照が開始される場面でドメイン名の名前解決が行われ、接続が開始されます。
一方で、今回Baselineとなったdns-prefetchをHTMLのヘッダ部に記述しておくと、あらかじめdns-prefetchで指定された外部ドメインに対する名前解決が行われます。
そのため、その外部ドメインへのリンクがクリックされた場面などで名前解決がすでに済んでいるために、外部ドメインへの高速な接続が実現されます。
dns-prefetchは、Link要素の属性として次のように記述できます。
<link rel="dns-prefetch"
href="https://fonts.googleapis.com/" />
多数の外部ドメインとの接続や参照が発生するWebページなどでは、動作の高速化が期待できるでしょう。
Baselineとは
Web標準はリビングスタンダードとしてつねにアップデートが行われており、ChromeやFirefox、Safariなどの主要なWebブラウザは、Web標準で新たに策定される機能をそれぞれ実装し、最新版に反映させています。
ただしその実装時期はばらばらであるため、Webアプリケーションの開発者にとって、Web標準のどの機能がクロスブラウザ対応となっているのか、また安定した実装となっているのかが分かりにくいものとなっています。
そこで2023年に登場したのが「Baseline」です。Baselineに含まれるWeb標準の機能であれば、主要なブラウザでのサポートが行われた安定した実装として、Webアプリケーション開発者は安心して利用できるものとなっています。
参考:Web標準に新たなステータス「Baseline」が登場。変化し続けるWeb標準のうちWeb開発者が安心して使える機能群を示す。MDNドキュメントなどで表示開始
Baselineにもラベルは2つあり、新たに採用された機能は「Baseline Newly available」となり、30カ月後にはその機能は「Baseline Widely available」となります。
Baselineはほぼ毎月アップデートされています。今回のdns-prefetchのBaselineへの組み入れは2025年9月のアップデートによるものです。