ガートナー「先進テクノロジーのハイプサイクル 2025年版」発表。人に代わるマシン・カスタマー、プログラマブル・マネーなど注目
米調査会社のガートナーは、「先進テクノロジーのハイプサイクル 2025年版」を9月に発表しています(ガートナージャパンの発表)。
ガートナーのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓発期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。
今回発表されたハイプサイクルは、2000を超えるテクノロジーや適用済みフレームワークから主要なインサイトを抽出し、押さえておくべき先進的なテクノロジを同社が簡潔にまとめたものです。
ガートナーは、このハイプサイクルに示した先進テクノロジーは今後2年から10年の間に変革をもたらす可能性を秘めているとしています。
下記が今回発表されたハイプサイクルです。

上記の中でも以下の4つの技術がピックアップされています。
マシン・カスタマー
人間ではなく、仮想パーソナルアシスタント、スマート機器、コネクテッドカーなど、人や組織の代わりにモノやサービスを購入する主体のこと。ガートナーは2030年までに、カスタマーとして動作するマシンが80億台まで増加すると予測している。
AIエージェント
組織の目的達成を支援すべく、デジタルおよびリアルの環境で、状況を知覚し、意思決定を下し、アクションを起こし、目的を達成することを可能にするのがAIエージェント。人間による監視がないAIエージェントは、誰からも気づかれないうちに即座に重要な意思決定を誤って下してしまう恐れがあるため、ガートナーはAIエージェントのリアリティを十分に理解した上で、戦略的に可能なところから具体的な導入計画に組み込むことを組織に推奨している。
意思決定インテリジェンス
意思決定をデジタル化し、資産としてモデル化することで、インサイト(知見)からアクション(行動)に至るプロセスにおけるギャップを埋め、意思決定の質、行動、成果を継続的に改善する。
プログラマブル・マネー
動作をプログラミングできるデジタルマネーのこと。ブロックチェーン対応のトークン化とスマートコントラクトを活用することで、経済主体の参加を増大させ、価値交換をプログラミングできる。
同社は2021年からこの先進テクノロジーのハイプサイクルには「『過度な期待』のピーク期」以降には何も表示しなくなっていますが、これはこの発表においては、先進テクノロジーのみにフォーカスしているからだと思われます。
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