Kubernetes上でイベントドリブンなオートスケーリングを提供する「KEDA」、本番環境で使えるレベルに到達したとしてCNCFの卒業プロジェクトに

2023年8月28日

Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は、Kubernetes上でイベントドリブンなオートスケーリングを提供する「KEDA」(Kubernetes Event-driven Autoscaling)が、本番環境に十分使えるレベルに到達したとして、インキュベーションプログラムから卒業するプロジェクトになったと発表しました(CNCFの発表KEDAの発表)。

Kubernetesにはもともと負荷に応じてコンテナを増減させるオートスケーリング機能が備わっていますが、これはCPUやメモリの負荷に反応してコンテナのスケールアウトやスケールインを実行するものです。

KEDAはこれに加えて、例えばAWSが提供するキューのサービスであるSQSやGoogle CloudのPubSub、Azure Event Hubs、Kafka、RabbitMQなどに対応し、これらのキューやメッセージの数に応じて対応するコンテナをスケールできます。

メッセージがなくなればKEDAはコンテナをゼロにまで縮退させます。

対応するイベントソースは、公式ドキュメントに記載がありますが、AWS SQS QueueやAzure Storage Queue、IBM MQ、RabbitMQ Queueをはじめ、MySQLやAWS DynamoDB、PostgreSQLなど、非常に多くのソースに対応しています。

こうした仕組みにより、KEDAはさまざまなイベントやメトリクスを基にコンテナのスケールアウト/スケールインを可能にします。

KEDAを利用しているクラウドサービスの代表はMicrosoft Azureの「Azure Container Apps」でしょう。KEDAはこのサービスのオートスケーリング機能に採用されています。

今回KEDAが卒業プロジェクトとなったことで、今後さらにKEDAが広く導入されていくことが期待されます。

KEDA開発チームは今後、パフォーマンス、マルチテナント対応、監視やオブザーバリティの改善に注力するとしています。

Tags: Kubernetes クラウド クラウドネイティブ

このエントリーをはてなブックマークに追加
ツイート
follow us in feedly





タグクラウド

クラウド / AWS / Azure / Google Cloud
コンテナ / Docker / Kubernetes
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウド障害 / 運用・監視

プログラミング言語 / 開発ツール
JavaScript / Java / .NET / WebAssembly
HTML/CSS / Web標準

アジャイル開発 / スクラム / DevOps / CI/CD
ソフトウェアテスト・品質
ローコード/ノーコード開発

データベース / RDB / NoSQL / 機械学習・AI
Oracle Database / MySQL / PostgreSQL
Office / 業務アプリケーション

ネットワーク / HTTP / QUIC / セキュリティ
OS / Windows / Linux / VMware
ハードウェア / サーバ / ストレージ

業界動向 / 働き方 / 給与・年収
編集後記 / 殿堂入り / おもしろ

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本