マイクロソフト、Webブラウザで3Dゲームがびゅんびゅん動く「Babylon.js 5.0」正式リリース、WebGPUにフル対応、iOS/Androidなどクロスプラットフォーム展開も

2022年5月18日

マイクロソフトは、JavaScriptで2Dや3Dモデルを高速に扱えるライブラリ「Babylon.js」の最新版「Babylon.js 5.0」正式版をリリースしました。

Babylon.js 5.0の最大の新機能はWebGPUにフル対応したことです。

現在、JavaScriptを用いた2次元や3次元の高速なグラフィックスの描画を行うWeb標準として「WebGL」が広く使われており、Babylon.jsはこのWebGLを扱えるJavaScriptライブラリとして知られていました。

Babylon.js 5.0でフル対応となった「WebGPU」はWebGLよりも新しいWeb標準です。軽量でGPUの能力を最大限に発揮しやすくなっているため、より高速なグラフィックス処理などが期待できます。Babylon.js 5.0ではこのWebGPUを抽象化してより使いやすくしています。

ただし現時点ではまだWebGPUを正式にサポートしたWebブラウザはありません(Can I UseのWebGPUページ)。今年後半から主要なWebブラウザでのサポートが開始される見通しです。

そのほか、アニメーションデータの作成や変更を容易にする「Animation Curve Editor」、より複雑な図形の変形を実現する「Unlimited Morph Targets」、ゲームのスタート画面のような複雑でリッチなGUIを作成できる「GUI Editor」(β版)、パフォーマンスプロファイラ、VRやARを実現するWebXRにおけるWebXR image trackingとWebXR Layersへの対応など、多くの新機能が搭載されています。

下記はマイクロソフトがBabylon.js 5.0のためにデモとして公開しているゲーム「Space Pirates」(ゲームの起動コードを見る)。Webブラウザ上で3Dゲームがびゅんびゅん動くところを実際に体験できます(手元のGPU搭載ノートPCでも動作しました)。

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また、Babylon.js 5.0では、IonicやReactNative、Electron、Babylon Nativeなどのネイティブアプリケーション開発用のフレームワークを用いることで、Webブラウザだけでなく、WindowsやMacのデスクトップアプリケーション、iOS、Androidのモバイルアプリケーションなどネイティブアプリケーションの開発も可能なクロスプラットフォーム対応になっています。

国内ではBabylon.jsのコミュニティ「Babylon.js Japan」が先日立ち上がったそうです(立ち上げに関わった方のブログ「Babylon.js 勉強会 Vol.1の概要をまとめました - CrossRoad」)。これから日本でもBabylon.jsが盛り上がりそうです。

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