AzureでArmサーバによる仮想マシンの正式提供が開始、「Ampere Altra」を採用。Javaはコード変更なしで実行可能

2022年9月7日

マイクロソフトは、4月からプレビューとしていたArmサーバによる仮想マシンの提供を正式サービスとしたことを発表しました

ArmのプロセッサとしてはAmpere Computing社が開発したAmpere Altraプロセッサが採用されています。Ampere AltraプロセッサはGoogle Cloudも7月に採用を発表していました

Armプロセッサをベースとした仮想マシンは、従来のインテルアーキテクチャのプロセッサと比較して価格効率と電力効率に優れ、スケールアウトする分散アプリケーションのようなアーキテクチャのアプリケーションに適しているとされています。

プレビュー機能として、Armベースの仮想マシンをAzure Kubernetes Service(AKS)で管理されるKubernetesクラスタに含めることもできるようになっています。この機能は今後数週間のうちに、Armベースの仮想マシンを提供するすべてのリージョンで正式版になる見通しとのことです。

JavaはArmでもコード変更なしで実行可能、Kubernetesにも対応へ

インテルアーキテクチャ向けにコンパイルされたアプリケーションをそのままArmプロセッサの仮想マシンで実行することはできないため、Armベースの仮想マシンを活用するためには従来のアプリケーションからの移行に課題はあります。

しかしJavaはすでにArmへの移植が行われているため、マイクロソフトが提供するJavaディストリビューションであるMicrosoft Build of OpenJDKのArm対応版などを利用することで、コードの変更をせずにそのまま実行可能だと説明されています。

ArmベースのプロセッサはAWSではGravitonが採用され、AzureとGoogle Cloudでは前述の通りAmpere Altraプロセッサが採用されるなど、大手クラウドベンダでは正式採用が出揃いました。

そのためJavaだけでなく今後はさまざまなスクリプティング言語やプログラミング言語がArm対応となっていくと見られます。大手クラウドベンダにとって、このエコシステムの拡大がクラウドにおけるArmの普及に欠かせないことは明らかで、各社ともそこに注力することは間違いないでしょう。

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