Facebook、どんな話題にも対応できるAIチャットボット「BlenderBot 2.0」オープンソースで公開。会話しつつ裏でネット検索し最新情報を取得

2021年7月20日

Facebook AI Researchは、会話の内容を知識として蓄えつつ、同時にネット検索をして知識をアップデートする機能を備えたAIチャットボット「BlenderBot 2.0」をオープンソースで公開したことを発表しました

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あたかも人間の様に会話に応じてくれるAIチャットボットは、今回発表された「BlenderBot 2.0」の前身となる「BlenderBot 1.0」も含めてこれまでにも存在しました。

これらはAIによって人間からの入力を理解し、それに対して過去にトレーニングした内容を基に情報を取り出し、適切な文章を生成して返答する能力を備えています。

しかしこれまでのAIチャットボットは、ある時点で集められた情報を基にトレーニングが行われ、それを基にAIチャットボットとして活動を行います。そのため、基本的には活動開始後に発生した事象に関する知識を持つことはありませんでした。

例えばAIチャットボットの対話相手となる人間が「ニューヨークヤンキースのファンだ」と会話で明かしたとき、AIチャットボットは過去にトレーニングをした時点より以前のニューヨークヤンキースの選手や試合結果の知識しかもたないため、古い情報を基にした会話を展開することになります。

また、対話相手の人間が「ニューヨークヤンキースのファン」であることも、次に会話をしたときには忘れてしまっているでしょう。

「BlenderBot 2.0」は対話相手のことを覚え、話題に合わせて最新情報をググる

今回Facebook AI Researchが公開した「BlenderBot 2.0」は、こうした課題を解決しうる長期記憶や検索能力を備えた初のAIチャットボットだと、次のように説明しています。

Facebook AI Research has built and open-sourced BlenderBot 2.0, the first chatbot that can simultaneously build long-term memory it can continually access, search the internet for timely information, and have sophisticated conversations on nearly any topic.

Facebook AI Reaserchは、長期記憶と、タイムリーな情報を得るために継続的にインターネット検索する能力を備え、ほぼあらゆる話題について洗練された会話ができる最初のチャットボットであるBlender Bot 2.0を開発し、オープンソースで公開しました。

fig BlenderBot 2.0の仕組み。会話の内容を元に、長期記憶とネット検索の結果を組み合わせて対応している

長期記憶は、会話で得られた情報をずっと記憶しており、あとでまたその話題に触れることができるということを示しています。

The model takes pertinent information gleaned during conversation and stores it in a long-term memory so it can then leverage this knowledge in ongoing conversations that may continue for days, weeks, or even months.

このモデルは、会話の中で得られた適切な情報を長期記憶に保存し、数日、数週間、数カ月におよぶ継続的な会話の中で、その知識を活用できます。

つまり、あるユーザーが「ニューヨークヤンキースのファン」だと発言するとその内容を覚えていて、次回以降に何かのきっかけでまたその話題に触れるときには、相手がニューヨークヤンキースのファンであることを知った上で会話の続きができる、ということです。

さらに、BlenderBot 2によるAIチャットボットは会話中にバックグラウンドで必要な情報をネット検索できるため、つねにネットの最新情報を会話に反映できます。

During conversation, the model can generate contextual internet search queries, read the results, and incorporate that information when responding to people’s questions and comments. This means the model stays up-to-date in an ever-changing world.

このモデルは会話中に、文脈に沿ったインターネット検索を行い、その結果を読み込み、相手の質問やコメントに答える際にその情報を組み入れることができます。これにより、このモデルは刻々と変化する世界で常に最新の情報を得ることができるのです。

これはもう1つの大きなメリットをもたらします。それは、AIチャットボットがネット検索が有効なあらゆる分野の話題に対応できるようになる、という点です。

もしも最初にトレーニングした分野にしかAIチャットボットが対応できないのであれば、あらゆる分野に対応させるAIチャットボットを作ろうとすると、ありとあらゆる分野についてあらかじめトレーニングさせなければなりません。これは事実上不可能です。

会話しながらネット検索し、その結果を会話に反映できることで、事実上あらゆる話題に対応できるAIチャットボットが実現するわけです。

Facebook AI Researchは、BlnderBot 2.0のソースコードだけでなく、モデルの学習に使用した会話データセットなども公開しており、他の研究者がトレーニング内容を再現し、会話AIの研究を進めることができると説明しています。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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