クラウド基盤とそこに乗るデータベースはどう進化したか? オラクルのデータベースとクラウドの最新動向から考察する[PR]

2020年12月9日

クラウドの登場と進化は、そのうえで稼働するデータベースにも影響を与えました。

クラウドでは、システムを適切に分散させ相互に連係させるアーキテクチャがスケーラビリティや高可用性を実現し、効率性を高めて従量課金によるコストを下げることにつながります。

一方でガバナンスや運用管理は、クラウドが提供するマネージドサービスや自動化ツール、自律型サービスなどを活用することが工数や人為的ミスを減らし、セキュアで統制のとれたシステムの実現につながります。

そうしたクラウド時代のデータベースとしてまず最初に登場したのがオラクルのAutonomous Databaseです。

Autonomous Databaseとしてまず最初に提供されたのがデータウェアハウスにのための自律型データベースサービス「Oracle Autonomous Data Warehouse」であり、次にOLTPや混在ワークロードのための「Oracle Autonomous Transaction Processing」が登場しました。

自律型データベースとは、パッチの適用やバックアップ、アップグレードなどの運用業務だけでなく、機械学習によって高度なチューニングまで自動化されたデータベースです。人為的な事故やエラー、情報漏洩のリスクなどが極小化され、セキュアなデータベース運用を可能にします。

しかもAutonomous Databaseが備えるコンテナデータベース機能によって適切にデータベースを用途別に分けつつ、全体としては効率的に運用管理が可能です。

参考:[速報]「Oracle 18c Autonomous Database」発表。エリソン氏「世界初の自律的なデータベース」。Oracle OpenWorld 2017

今年2020年8月には、このAutonomous DatabaseのラインナップにJSON形式の柔軟なデータを扱える「Oracle Autonomous JSON Database」も発表されました。

オラクルの戦略としては、あらゆるデータタイプとトランザクション形式にOracle Autonomous Transaction Processingで対応したうえで、Oracle Autonomous Transaction Processingをベースに、廉価な価格JSON専用のデータベースサービスを提供するのがAutonomous JSON Databaseだといえます。

参考:オラクル「Autonomous JSON Database」発表。クラウド上のスケーラブルなJSONデータベース

通常のJSON形式のデータはもちろん、バイナリ形式のJSONファイルも最大32MBまでサポート可能。

JSONデータベースへのアクセスは、主要なプログラミング言語に対応したドライバからの呼び出しのほか、RESTful API、コマンドラインインターフェイスにも対応。SQLを用いたクエリの実行にも対応しています。

企業にとって高性能かつ安定的に運用でき、セキュアなデータベースというニーズに応える形で自律型データベース(Autonomous Database)を提供することが、クラウド上のデータベースにおけるオラクルの答えでした。

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オンプレミスと同様のミッションクリティカルなシステムも提供

一方、オンプレミスのデータベースとの高い互換性を実現したい、というニーズに応えるデータベースとしてOracle Cloud Infrastructure上で提供されているのが、Exadata Cloud Serviceです。これはオンプレミスで利用可能なExadataをOracle Cloud Infrastructure上で利用可能にしているサービスです。

2020年10月には最新のデータベースサービスとして「Exadata Cloud Service X8M」(以下X8M)が登場しました

X8Mは最大で4600CPUコア、44TBメモリ、96TBパーシステントメモリ、1.6PBフラッシュメモリを装備し、25PBのデータベース容量まで拡張可能。

データベースからパーシステントメモリへのアクセスは100GbEのネットワークファブリック上でRDMAによって高速に転送するなど、圧倒的な性能と規模を提供します。

MySQLのマネージドサービスも登場

さらに今年9月には、最新のOracle Cloud Infrastructureに最適化されたMySQLのマネージドサービス「Oracle MySQL Database Service」も新たに登場しています。

MySQLはオープンソースやWebサービスのバックエンドデータベースとして広く使われており、これをクラウドで提供することで、より多くのアプリケーションやサービスのクラウド移行を促進させることになります。

そして今月、この「MySQL Database Service」の新機能として登場したのが「MySQL Analytics Engine」です。

従来、データベースに蓄積されたデータを分析するには、ETLツールなどを用いてデータウェアハウスへ転送し、そこで分析することが一般的でした。しかしこの場合、データ転送に時間や手間がかかるほか、ETLツールや2種類のデータベースなどの管理の手間も増えます。

MySQL Analytics Engineは、MySQL Database Serviceにデータ分析用エンジンとして追加され、標準のデータベースエンジン(InnoDB)から自動的にデータを読み込んで大規模分析ができます。データ転送のためにETLツールは不要となり、データベースの管理はMySQLのマネージドサービスで提供されるため、利用者はほとんど意識する必要がありません。

これによりMySQL Database Serviceに蓄積したデータを手軽かつ高速に分析できるようになるわけです。

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クラウドがセキュリティのベストプラクティスを適用

こうしたクラウドデータベースの基盤となるOracle Cloud Infrastructureは、データベースと緊密に連携する下記のようなセキュリティサービスを提供することで、クラウドデータベースの提供する価値をさらに高める役割を果たしています。

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Cloud Guardはインフラやアプリケーションレイヤ全体からデータを収集し、脅威や設定ミスを監視し、自動的に是正してくれます。

Maximum Security Zonesは機密性の高いワークロードに対して厳格なセキュリティのベストプラクティスを適用することで、初期段階からリソースのセキュリティを確保することができます。

Data Safeは、Oracle Databaseがセキュアに構成されるように、データベースの設定やユーザーの操作などを追跡、評価、可視化し、適切な運用を支援するサービスです。

今年から本格提供がはじまったこれらセキュリティ機能は無料で提供されています。これらは、Oracle Cloud Infrastructure上のデータベースサービスにとって大きな差別化要因となっています。

プロセッサ、メモリ容量、ストレージを柔軟かつ動的に変更可能

ここまでOracle Cloud Infrastructureにおけるデータベース関連の最新動向を見てきました。ここからはOracle Cloud Infrastructure自身の動向についても触れていきましょう。

クラウドが提供するインスタンスは通常、あらかじめ用意された仮想CPU数とメモリ容量のバリエーションの中から適当なものを選ぶものです。

Oracle Cloud Infrastructureで今年登場した「Flexible Instance」は、この仮想CPU数とメモリ量を、それぞれ1~64OCPU(物理CPUコア)と1GB単位のメモリ容量の範囲から柔軟に構成して利用することができるようになっています。

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ストレージに関しても「Flexible Storage」が登場。作成したブロックストレージに対して動的にサイズと性能を変更でき、さらにコスト優先にするか、性能優先にするか、コストと性能をバランスさせるかの設定も調整可能になっています。

100Gbpsとベアメタルで最大2万コアまでスケール

HPCやAIの分野では、9月にNVIDIA A100 TensorコアGPUを搭載した最新世代のGPUインスタンスを提供開始。

Oracle Cloud InfrastructureはもともとGen 2 Cloudの設計段階から低遅延で高速なネットワークをオーバーサブスクリプションなしで提供し、そのうえで仮想化オーバーヘッドのないHPCに最適なベアメタルサーバを提供することで、HPCやAIなどのニーズに応えてきました。

現在オラクルは100Gbpsのネットワーク上でRoCEv2(RDMA over Converged Ethernet)によって数μ秒の低遅延を実現し、そのうえで最大2万コアまでスケールする環境を提供できるとしています。

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クラウドネイティブ環境では可観測性が充実

クラウドネイティブな分野では、Oracle Cloud Infrastructre上で以前からDockerコンテナ環境やKubernetes環境としてOKE(Oracle Container Engine for Kubernetes)などが提供されてきました。

それ以外にも、API管理、CI/CD、サーバレスなどクラウドネイティブな開発環境も備わっています。

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今年10月に発表された「Oracle Cloud d Infrastructure Observability and Management platform」は、マイクロサービスアーキテクチャのように分散したサービスに対してログを収集して集約し、解析し、性能監視を行う機能を提供。

コンテナを活用したクラウドネイティブなアプリケーションにおける運用の課題を大きく改善するサービスが充実しています。

Microsoft AzureやVMware環境との相互運用性も実現

Oracle Cloud Infrastructureは、他のクラウドとの連携によるマルチクラウドの実現や、オンプレミスとの連携によるハイブリッドクラウドのためのソリューションも提供しています。

オラクルとマイクロソフトは2019年6月にクラウドに関する戦略的提携を発表し、両社のクラウドの高速回線による相互接続と、Azure ADによるシングルサインオンを世界各地のリージョンで進めてきました。

2020年5月にはOracle Cloud Infrastructureの東京リージョンとMicrosoft Azureの東日本リージョンの相互接続が発表されたところです。

これにより、日本国内でもOracle Cloud InfrastructureとMicrosoft Azure上のさまざまなサービスを容易に連携して利用することが利用可能になりました。

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今年8月に正式リリースとなった「Oracle VMware Cloud Solution」では、VMwareの仮想化基盤をそのままOracle Cloud Infrastructure上に構成。オンプレミスのVMware環境との相互運用性や移行を容易にしてくれます。

「Oracle Cloud Days 2020」を12月15日から開催

本記事で紹介したオラクルのクラウドに関する最新情報を知ることができるオンラインイベント「Oracle Cloud Days 2020」が、12月15日から18日まで開催されます。ぜひご参加ください。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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