Webで縦書きなどを実現する「CSS Writing Modes Level 3」、ついにW3Cの「勧告」に

2019年12月11日

W3Cは、Webで縦書きなどを実現する「CSS Writing Modes Level 3」が勧告に到達したことを発表しました

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HTMLで構造化された文書に対してスタイルを与える「Cascading Style Sheet」(CSS)は「CSS 2」から、directionプロパティでテキストの表示方向を左から右か、右から左かを指定可能でした。

今回勧告になった「CSS Writing Modes Level 3」では、従来の横書きの左から右への記述(英語やヒンディ語など)、横書きの右から左への記述(ヘブライ語やアラビア語など)に加えて、日本語やモンゴル語などで使われるような縦書きなどを指定することができます。

また、縦書きでは、右から左への行送り(中国語、日本語、韓国語など)と、左から右への行送り(モンゴル語など)も指定可能。

これらは同一ページ上で混在でき、さらに双方向混在の記述における分離、字形の方向制御、縦書きの行中に短い横書きの文字列を挿入する、などの機能も含まれています。

これによって、Web上でさまざまな言語を用いてこれまでより多様な記述や表現が可能になります。

15年かけて勧告に

Webでの縦書きなどを実現しようとする取り組みは2004年から始まったと、慶應義塾大学 環境情報学部 村井純教授は次のようにコメントしています。

「2004年にW3C CSSワーキンググループがテキストレイアウトの開発に着手してから15年、本日がCSS Writing Modes Level3がW3C勧告に到達したマイルストーンです。数え切れないほどの議論や開発、調整、そして日本だけでなく、多くのアジア諸国の協力のおかげで、日本の文化でもある縦書きCSSがWeb上で、ついに国際的な標準になりました。」

特に電子書籍の実用化が注目され始めた2010年頃には、電子書籍の代表的なフォーマットであるEPUBを日本語の組み版に対応させる取り組みに注目が集まりました。EPUBはその基本的な仕様をHTMLやCSSといったWeb標準に依存しているため、EPUBでの日本語組み版対応にはCSSでの縦書きや傍点などの仕様化が欠かせませんでした。

そうした経緯を、2010年11月の記事で紹介しています。

そのため、縦書きの実現は日本からの貢献は大きなものだったと、今回の勧告化のプレスリリースにおいても「特に日本の各言語グループの専門家からの関与は、各種機能の研究、特定、そして実装など全ての作業において必須のものでした」と触れられています。

すでに縦書き機能は何年も前からChromeなどに実装され、一般的な表示方法として使われています。今回の「CSS Writing Modes Level 3」の勧告はそれらが一定の成熟に達したことを示しています。

(2019年12月11日 09:25 縦書きの取り組みについての記述を一部変更し、合わせて見出しを「約10年で勧告」から「15年で勧告」に変更しました)

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Junichi Niino(jniino)
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