全米で最高の職業は「データサイエンティスト」。「DevOpsエンジニア」も6位に。米Glassdoor「The Best Jobs in America 2019」

2019年2月6日

米国におけるすべての職業について年収の中央値と満足度と求人数を総合的に見たとき、最高の職業は「データサイエンティスト」であると、米国の求人情報サイトGlassdoorが示しています

米Glassdoorは、登録者が自分の給料を教える代わりに他の人の給料を教えてもらうといった仕組みで、企業別、ポジション別の給料や企業の評判などをまとめているソーシャル求人情報サイトです。

同社が公開した記事「The Best Jobs in America 2019」では、Glassdoorのサイトにポストされた数百万の仕事について、年収の中央値と満足度と求人数をスコア化し、それをもとにした職業のランキングが示されています

The Best Jobs in America 2019 - Glassdoor

全米で最高の職業はデータサイエンティスト、年収の中央値は約1200万円

職業ランキングの1位は「データサイエンティスト」で、年収の中央値は10万8000ドル(1ドル110円換算で1188万円)、満足度は5点満点の4.3、求人数は6510件となっています。

データサイエンティストはどんな仕事をする人なのでしょうか。例えばVISAによる「Data Scientist / Sr. Data Scientist」の求人には次のように書いてあります。

  • Be an out-of-the-box thinker who is passionate about brainstorming innovative ways to use our unique data to answer business problems
  • Communicate with clients to understand the challenges they face and convince them with data
  • Extract and understand data to form an opinion on how to best help our clients and derive relevant insights
  • Develop visualizations to make your complex analyses accessible to a broad audience
  • Partner with a variety of Visa teams to provide comprehensive solutions
  • Find opportunities to craft products out of analyses that are suitable for multiple clients

ビジネスの問題に対する解決策をデータを基にしつつ常識にとらわれずに考え、直面している課題についてデータをもとに説明する、などとなっています。

Uberのデータサイエンティストの募集要項では、次のように書かれています。説明が長いので最初の3つだけ引用しましょう。

  • Build production grade models on large-scale datasets to optimize marketing performance by utilizing advanced statistical modeling, machine learning, or data mining techniques and marketing science research.
  • Leverage models to address key growth challenges and provide actionable insights on problems such as cross-channel optimization, market/individual level response modeling, targeting optimization, LTV modeling, and etc.
  • Work with cross-functional teams to implement and deploy models and enhance analytical solutions by providing data-driven recommendations.

大規模データをに対して統計モデル、機械学習、データマイニングなどを駆使してマーケティングパフォーマンスを最大化させること、クロスファンクショナルチームとともにデータドリブンなレコメンデーションを提供することで分析的ソリューションの実装や展開を行うこと、などが書かれています。

ほかの求人なども組み合わせて考えると、データサイエンティストにはSparkやHadoopなどビッグデータを扱うソフトウェアを駆使するスキルを持ち、ビジネスを理解しデータ分析などの技術も理解した上で、ビジネス上の課題解決やパフォーマンスの向上に貢献することが期待されているようです。

6位のDevOpsエンジニアとは何をする人か?

ランキングでは、2位は看護師長(Nursing Manager)、3位はマーケティングマネージャー、4位は作業療法士(Occupational Therapist)、5位はプロダクトマネージャーとなっており、2位と4位には医療関係の職業が入りました。5位のプロダクトマネージャはITに限らない意味でのプロダクトマネージャのようです。

そして6位に入ったのが「DevOpsエンジニア」です。

DevOpsエンジニアとはどのような仕事をするのでしょうか? SendGridの「DevOps Engineer」の求人を見てみましょう。これも長いので最初の5項目だけ引用します。

  • Live by and champion our cultural values of Happy, Hungry, Honest, and Humble
  • Design and implement with the support of your team systems for scalability, testability, supportability, and maintainability
  • Contribute to systems that evolve and improve CI/CD processes
  • Help resolve technical issues/blockers as a developer on the team
  • Perform thorough and thoughtful code reviews to help maintain high standard of code quality

最初の項目に、ハッピーでハングリーで正直で謙虚なカルチャーの先導役になる、とあるのは面白いですね。そしてシステムのスケーラビリティや手スタビリティなどの改善を支援し、CI/CD環境の構築に貢献する、といったことが書かれています。

それ以外にも求人情報を読んでみたところでは、DevOpsエンジニアにはおおむね次のような業務が期待されているようです。

  • Jenkinsなどを用いて自動ビルド、自動テストなどのCI/CD環境を構築する
  • DevOpsを実践するために関連組織に関与し、ハンズオンなどを行う
  • デプロイのトラブルなどに対応

DevOpsエンジニアの年収の中央値は10万6000ドル(1ドル110円換算で1160万円)、満足度は5点満点の4.1、求人数は4657件。

データエンジニアはビッグデータインフラの構築もしくは分析

8位には「データエンジニア」が入っています。。これはどういう職業なのか、ちょうどWeWorkのデータエンジニアの募集にあるResponsibilitiesの説明が分かりやすかったので、引用しましょう。

  • Building and operating large scale data infrastructure in production (performance, reliability, monitoring)
  • Designing, implementing and debugging distributed systems
  • Thinking through long-term impacts of key design decisions and handling failure scenarios
  • Building self-service platforms to power WeWorks Technology

本番環境として性能や信頼性の高いビッグデータインフラの構築や分散システムの構築などの業務が挙げられており、データの分析よりも構築が重視されていることが分かります。

ただしNASAのジェット推進研究所の求人のように「Big Data Analytics Software Engineer」と、データ分析系の仕事もデータエンジニアとしてGlassdoorのサイトでは分類されているため、求人企業によって求めるものが異なるようです。

データエンジニアの年収の中央値は10万ドル(1ドル110円換算で1100万円)、満足度は5点満点の3.9で、求人数は4739。

ランキングに目を戻すと9位には人事マネージャ、そして10位にソフトウェアエンジニアが入っており、ランキングのベスト10のうち少なくとも4つがIT系の職業となります。IT系の仕事はさまざまな職業の中でも給与も満足度も高く求人数も多い、恵まれた職業といえそうです。

次の記事ではこの記事と矛盾するような結果かも知れませんが、ITエンジニアの求人ではKubernetesのスキルが圧倒的に求められていることを紹介しています。

Kuberenetesのスキルは、いま飛び抜けて米国の転職で有利。米Dice&米Indeed

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Junichi Niino(jniino)
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