ビッグデータ時代のために開発された高密度光ディスクの実力と可能性とは。100度で熱してもデータが壊れない耐久性と長寿命[PR]

2019年4月1日


パナソニックとソニーは、消費者向け記録メディアの世界においては長年にわたってそれぞれの技術を製品として打ち出してきました。過去にはVHSとベータマックスの競合があり、その後DCC(デジタルコンパクトカセット)とMD(ミニディスク)、SDメモリカードとメモリースティックで競合してきた歴史をご記憶の読者も多いでしょう。

しかしビッグデータやAIの時代においては、大規模なデータの長期保管に耐え、しかもデータの再活用が容易なように高速アクセスを実現できる記憶媒体こそ必要であるとの考えで両社は一致しています。

これにより、エンタープライズ向け記録メディアの世界において、パナソニックとソニーが初めて手を握るという歴史的転換が起こりました。

両社は約40年にわたって文字通り市場をリードしてきた記録技術を基に、AI時代の理想を実現するメディア「アーカイバル・ディスク」の共同開発を2013年7月に発表し、翌年に製品をリリース。現在も共同開発を続けています。

2018年10月に東京国際フォーラムで行われたパナソニック100周年記念イベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」では、パナソニックとソニーのアーカイバル・ディスク事業責任者および開発責任者が共にステージに並び、「光ディスクストレージの技術革新」について語り合うという歴史的なセッションが行われました。

fig 写真左から、モデレータのPublickey 新野淳一、パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社 ストレージ事業開発センター 所長 古川厚氏、パナソニック株式会社 イノベーション推進部門 要素技術開発センター ストレージ開発室 総括担当 日野泰守氏、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社 プロフェッショナル・ソリューション&サービス本部 メディアセグメント事業部門 部門長 喜多幹夫氏、ソニーストレージメディア ソリューションズ株式会社 アーカイバル・ディスク部 担当部長 中野淳氏

パナソニックでアーカイバル・ディスクの事業責任者を務める古川厚氏は、「今までVHSテープから、DVD、 メモリカードに至るまで各種メディアのフォーマット競争を繰り広げてきたソニー様と同じステージに立ち、そしてまた会場にもソニー様の関係者が多くご参加いただいておりますこと、時代の流れ、事業環境の変化を感じます」と、挨拶。

そのセッションで語られたアーカイバル・ディスクの技術的な特長や今後の展望とはどんなものだったのか、紹介していきましょう。

AI時代の理想的なストレージ実現を目指して

パナソニックでアーカイバル・ディスクの開発責任者を務める日野泰守氏は、AI時代の理想のストレージとは、データを使うときにすぐ読み出せて、データを使わないときは保存コストやデータの消失リスクが低く、データの改ざんもできず、しかもデータが不要になったときには安全かつエコにデータが消去できるもの、という条件をあげています。

fig1

アーカイバル・ディスクはこのAI時代の理想的なストレージを実現すべく、開発が進められてきました。

とはいえ、両社が一緒に開発を始めた頃は互いの歩み寄りはまだ十分でなかったと、ソニーでアーカイバル・ディスクの開発責任者である中野淳氏は振り返ります。

しかしその状況は、アーカイバル・ディスクの前身的な存在であるBlu-rayで100GBの容量を読み書き可能にする「BDXL」フォーマットを両社が協力して作り上げたことで、変わり始めたと中野氏。

共同開発の過程で確固たる信頼関係が築けるようになり、「光ディスクはまだまだいける」(中野氏)との思いが生まれ、アーカイバル・ディスクの開発へつながっていくのです。

HDDやLTOに迫るシーケンシャルアクセス

パナソニックの日野氏は、アーカイバル・ディスクはBlu-rayの持つ「非接触メディア」「下位互換」「低い環境負荷」という特徴に加えて、「長寿命」「高転送レート」「大容量」という価値が加わっていると説明します。

fig2

まず、アーカイバル・ディスクの高転送レートを見てみましょう。

現時点でのアーカイバル・ディスクは、Blu-rayなど従来の光ディスクと比較して12倍もの性能向上を果たし、シーケンシャルアクセスにおいてはHDDやLTOに迫る性能を実現しています。

しかもランダムアクセスが可能なため、分散ストレージ構成にも有利になっています。

fig3

「ロゼッタストン記録膜」は石版に情報を刻むように堅牢

長寿命で高耐久な点もアーカイバル・ディスクの大きな特長です。

一般にハードディスクドライブやテープなどの磁気記録媒体は、時間の経過に伴ってデータを保持するための磁力が弱くなっていくなどデリケートな面があります。そのため長期保存には温度や湿度を一定に保つことが望ましく、データを読み出して確認を行ったり、定期的に新しい媒体へ記録し直すマイグレーション作業が必要です。

一方、アーカイバル・ディスクをはじめとする光ディスクは、樹脂に保護された記録膜に対してレーザー光による書き込みと読み出しを行う仕組みのため、そもそも埃や指紋の付着、温度変化などによる影響を受けにくく、記録膜に刻まれた情報を破損リスクから守っています。

従来のCDやBlu-rayといった光ディスクと比べても圧倒的に高い耐久性を実現できた理由が、「ロゼッタストン記録膜」です。

ロゼッタストンとは、石版に文字を刻むことで紀元前から現代にまで文字を伝えたことで知られています。アーカイバル・ディスクの「ロゼッタストン記録膜」は、その高い耐久性と長寿命にちなんだものです。

fig4

従来の光ディスクは記録膜として金属を用いていました。そのため万が一ディスクを構成する樹脂などの隙間から水分が侵入すると、金属の記録膜が酸化、つまり錆びてしまい、再生できなくなってしまう可能性がありました。

アーカイバル・ディスクの「ロゼッタストン記録膜」では、記録膜を酸化物に切り替えることでガラスのような記録膜を実現。酸化物は元々酸化した状態であるため水や熱などによる影響を受けることなく、高耐久で長寿命の光ディスクが可能になったのです。

沸騰した湯に入れても致命的なデータ破損のない強力な耐久性

パナソニックは、このアーカイバル・ディスクを沸騰したお湯の中に投入して1分間煮沸。その後に取り出してドライブに挿入し、再生してみるという耐久性検証実験を実施。その結果、何の問題もなくデータを読み出すことに成功しています。

セッションでその様子を動画で紹介すると、会場からは大きな驚きの声があがりました。

ソニー中野氏によると、高温と高湿による加速試験の結果から、アーカイバル・ディスクの寿命は理論的には100年以上になるとのことです。

こうした高耐久で高寿命なアーカイバル・ディスクは、厳密に温度や湿度管理されていないオフィスのような場所でも問題なく保存可能で、数年ごとの記録し直しなども不要なため、保存に関する手間とコストも非常に小さくて済みます。

データの消去が必要な際も、アーカイバル・ディスクはシュレッダーなどを用いて簡単に物理的な滅却処理が可能。おもな原料のポリカーボネートは再利用も容易とされています。

fig6

バチカン市国や中国などでの導入が進む

アーカイバル・ディスクはバチカン市国の歴史的資産のデジタルアーカイブや、中国のスマートインフラ事業者のデータレイクとして採用されるなど、世界各地で導入が進んでいます。

パナソニックの日野氏は、アーカイバル・ディスクの容量は今後さらに増加していくと将来像を示します。

fig7

現時点ですでにディスク1枚あたり1TBまでのロードマップが示されており、将来的にはラミネート多層シートや光の偏光性質などを用いた超多層化技術により、10TBから300TB以上を記録できる可能性も示されています。

セッションの結びとして、ソニーでアーカイバル・ディスクの事業責任者を務める喜多幹夫氏は、データとAIの力で新しい価値を生み出すために、光ディスク技術が果たせる役割はまだまだある。そのために今後もパナソニックと共に光ディスクの開発を進めていくと発言。

パナソニックの古川氏も喜多氏の発言に応える形で、光ディスクというパナソニックとソニーの技術でもう一度世界と勝負したいと宣言。そして、高密度光ディスクをコアとした新規ビジネスとして、ビッグデータの利活用を支えるプラットフォームの構築にも挑戦していく、今後の発展に期待していただきたい、と会場に語りかけました。

fig9パナソニック古川氏、ソニー喜多氏の握手で歴史的なセッションは幕を閉じた

関連リンク

光ディスクデータアーカイブシステム freeze-ray
クロスバリューイノベーションフォーラム セミナーレポート
「ビッグデータ時代のインフラ化を目指して:パナソニックとソニーが挑む、光ディスクストレージの技術革新

(本記事はパナソニック提供のタイアップ記事です)

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