米ガートナー「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表。5Gやバイオチップは過度な期待、レベル4の自律走行や次世代メモリは幻滅期

2019年9月2日

米調査会社のガートナーは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表しました

ガートナーのハイプサイクルは、技術の登場から安定までを5つのステージに分けて説明したものです。5つのステージは、「黎明期」から始まり、「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓蒙活動期」「生産性の安定期」まで。この途中で消えていく技術もあります。

2019年版では2000を超えるテクノロジを分析した上で29の先進テクノロジが提示されています。

fig 出典:ガートナー (2019年8月)。画像の右側にある啓蒙活動期、生産性の安定期を図の縮小のため省略

左の黎明期からいくつか注目したいテクノロジを見ていくと、黎明期には「非中央集権型自律組織」「転移学習」「説明可能なAI」などが並んでいます。

「過度な期待」のピーク期では、「自律走行(レベル5)」「AI PaaS」「バイオチップ」「5G」などが並んでいます。

幻滅期には「次世代メモリ」「自律走行(レベル4)」などが並んでいます。

啓蒙活動期、生産性の安定期は、引用した図では縮小のため省略していますが、オリジナルの図にも何の技術もあげられていませんでした。

2018年版と比べておもに変わった点など

今年のハイプサイクルを、昨年発表されたハイプサイクルと見比べてみましょう。下記が2018年版のハイプサイクルです。

fig 出典:ガートナー (2018年8月)。画像の右側にある啓蒙活動期、生産性の安定期を図の縮小のため省略

2018年版で黎明期にあった「ナレッジグラフ」「エッジAI」「自律走行(レベル5)」「5G」などは、2019年版で順調に「過度な期待」のピーク期に到達、あるいはそこに近づいています。

一方で「汎用AI」「ブロックチェーンによるデータ・セキュリティ」「会話型AIプラットフォーム」などいくつかのテクノロジは2019年版では提示されなくなりました。

また、2018年版で「過度な期待」のピーク期にあった「バイオチップ」、幻滅期にあった「自律走行(レベル4)」は、2019年版でも少し右に動いた程度で、ゆっくりと進行していることが分かります。

5つの先進テクノロジ・トレンド

ガートナーはハイプサイクルにあわせて「5つの先進テクノロジ・トレンド」を発表しています。ポイントを引用しましょう。

センシングとモビリティ

今後10年間で、AR (拡張現実) クラウドは世界の3Dマップを生成するでしょう。これによって、新しいインタラクション・モデルのほか、物理的な空間から収益を生み出す新たなビジネスモデルが実現すると予測されます。」としています。

オーグメンテッド・ヒューマン

オーグメンテッド・ヒューマンの進化は、認識能力/身体能力を向上させる機能の開発を可能にし、こうした機能は人間の身体に不可欠な要素となります。その一例が超人的な能力の提供であり、人間本来の能力を上回る特性を備えた人工装具が製造されています。

ポストクラシカルなコンピューティングとコミュニケーション

低軌道衛星システムは、低遅延のインターネット接続を全世界に提供できます。低軌道の小型衛星コンステレーションは、現在インターネットに接続されていない住居の48%が接続できるようにし、インターネット接続が提供されていない国や地域に経済成長の新たな機会をもたらします。

デジタル・エコシステム

デジタル・エコシステムは、デジタル・プラットフォームを共有する行為者 (企業、人、モノ) で構成される、互いに依存するグループを活用して、相互に有益な目的を達成します。デジタル化は、従来のバリューチェーンの破壊を促し、より強力かつ柔軟でレジリエンスの高い価値提供ネットワークを生み出します。

高度なAI/アナリティクス

エッジAIは、遅延の影響を受けやすいアプリケーション (自律的ナビゲーションなど) のほか、ネットワーク障害が発生しやすいアプリケーション (リモート・モニタリング、自然言語処理 [NLP]、顔認識など)、データ集約型のアプリケーション (ビデオ・アナリティクスなど) での採用が進んでいます。

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Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
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