Kubernetes 1.10がリリース。コンテナストレージインターフェイスがβ版に、GPUなどをサポート可能にするデバイスプラグインも

2018年3月30日

コンテナオーケストレーションツールの事実上の標準となったKubernetesの開発チームは、「Kubernetes 1.10」のリリースを発表しました

Kubernetes 1.10

コンテナストレージインターフェイスが策定される意義とは?

前バージョンではアルファ版として公開されたContainer Storage Interface(CSI)は、今回のバージョンでベータ版となりました。

CSIは個々のコンテナではなくオーケストレーションツールであるKubernetesがストレージボリュームに対するインターフェイスを持ち、コンテナに対してストレージを提供する機能を実現するというものです。

これは個々のコンテナがストレージを管理すると、万が一そのコンテナが停止したときに別のコンテナにストレージをフェイルオーバーすることが難しくなるため、個々のコンテナではなくクラスタに対してストレージを提供するべきであり、そのためにはオーケストレーションツールであるKubernetesでストレージを管理した方がよい、という考え方によって開発されています。

そしてCSIはKubernetesだけでなく、Mesos、Docker、Cloud Foundryなど複数のコンテナ関連ツールのメンバーが協力して仕様を策定しているため、これらのツールでも共通したストレージAPI仕様になります(おそらく実装も近いものになるのではないでしょうか)。

この共通仕様の最大の利点は、ストレージベンダはCSIに対応したプラグインを開発すれば、それがKubernetesだけでなくほかのコンテナ関連ツールでもそのまま使えるところにあります。これにより、CSIに対応した多様なストレージボリュームプラグインが開発されることが期待できるでしょう。

CSIのAPI経由でできることは下記とされています。

  • ボリュームの動的なプロビジョニング、デプロビジョニング
  • ノードからボリュームのアタッチ、デタッチ
  • ノードからボリュームのマウント、アンマウント
  • ブロックストレージ、マウント可能なボリュームの利用
  • ローカルストレージプロバイダ(デバイスマッパ、論理ボリュームマネージャ)などの利用

ネットワークを経由しないローカルストレージをKubernetesのストレージとするDurable (non-shared) local storage management機能もβとなりました。

デバイスプラグインもベータ版に

Kubernetes 1.10では、Kubernetesのコアコードを変更することなくKubernetesで新しいデバイスをサポートするためのDevice Pluginもベータ版となりました。例えばKubernetesにGPUデバイスを対応させるような、新たなデバイスのサポートがプラグインで可能になります。

Tags: Docker Kubernetes コンテナ型仮想化

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Junichi Niino(jniino)
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