App Engineが軽量コンテナのgVisorを実行環境として採用、スタンダード環境でNode.jsをサポート開始
Google App Engineには、Google自身が最初から実行系を用意するスタンダード環境と、ユーザーが実行系をクラウドに持ち込むフレキシブル環境があります。
これまでスタンダード環境ではJava、Python、Go、PHPが利用可能でしたが、これにNode.jsが加わることが、5月8日から10日の3日間、米サンフランシスコで開催されたGoogle I/O 2018で発表されました。
App EngineでのNode.jsの実行環境として、Googleがオープンソースとして公開したばかりの軽量かつ高い分離性能を持つコンテナ実装であるgVisorが採用されたことも同時に発表されました。
App Engine上のNode.js対応は、ほかの言語の実行系と同様に負荷に対して迅速にスケールアップ、スケールダウンするようになっていますが、今回のNode.js実行系ではこのオートスケールのアルゴリズムが改善され、より予測しやすく、利用効率が高く(つまり高い性能を安価で利用でき)、性能と費用のバランスの設定や上限値などの設定が可能になっています。
Google Cloud Platform上のNode.js実行系としては、すでにサーバレスコンピューティング環境のGoogle Cloud Functionsがあります。
Cloud Functionsと、App EngineのNode.jsをどう使い分けるべきなのでしょうか?
Googleの説明では、Cloud Functionsはイベントドリブンかつ非同期処理を用いた明確なプログラミングモデルを持ち、ストレージやデータベースのトランザクション、WebHookなどをトリガーとして起動する特定の目的のためのアプリケーションの構築に向いています。
一方、Google App EngineのNode.jsはHTTPで外部と通信可能であり、Node.jsのアプリケーションをそのまま実行できるため、さまざまな目的のアプリケーションを柔軟に実行できるようになっています。
両者は連携して実行できるため、それぞれを適切に用いて組み合わせることで、より柔軟で大規模なアプリケーションをGoogle Cloud Platform上で実現できるとしています。
App EngineでのNode.js対応は、今後数週間以内にプレビューとして公開がスタートする予定です。
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