オラクル、エンタープライズ向けNoSQLの新版「Oracle NoSQL Database 2.0」リリース。オープンソースの無償版も公開

2012年12月25日

米オラクルはエンタープライズ向けNoSQLデータベースの新版「Oracle NoSQL Database 2.0」」のリリースを発表しました

Oracle Unveils Oracle NoSQL Database 2.0

Oracle NoSQL Databaseは、キーバリューストアであるOracle Berkeley DB Java Editionをベースに、分散処理機能、ロードバランス、管理機能、マルチノードバックアップ機能などを追加したもの。昨年10月に最初のバージョンが公開され、今回がそれ以来初のメジャーバージョンアップとなります。

性能向上やOracle、Hadoopとの統合強化

Oracel NoSQL Databaseの基本的なアーキテクチャは変わらず、プライマリキーのハッシュによって指定されたノードにキー/バリューのペアを書き込む分散キーバリューストア。シングルマスター/マルチレプリカ方式で、マスターノードが落ちたときにはPAXOSベースの自動フェイルオーバーを行い、単一障害点の排除と可用性を実現しています。

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バージョン2.0での主な強化点は、性能向上、自動リバランシング、Oracel Databaseとの統合強化、Hadoopとの統合強化など。

性能向上面では、運用中にサーバを追加可能でリニアな性能向上を実現した上で、18ノード構成で24テラバイトのデータベースに対してクラウドのベンチマークの一種YCSB(Yahoo! Cloud Serving Benchmark)で1秒あたり100万回以上の操作を実現したとのこと。

自動リバランシングでは、処理要求に合わせて一定のSLA(Service Level Agreement)に対応するために自動的に計算リソースやストレージリソースの割り当てを動的に変更する機能が追加。

Oracle Databaseとの統合強化により、Oracle Databaseからは外部テーブルとしてOracle NoSQL Databaseに対してSQL経由で直接内容を参照することができるように。また、HadoopからはJSONオブジェクト経由でのアクセスや、Avroによるデータシリアライゼーションに対応。

ビッグデータへの機能を前進

オラクルはNoSQLデータベースを、ビッグデータを収集し格納する柔軟かつ大きなデータストアと位置づけています。NoSQLで収集したデータをHadoopなりSQL Databaseなりで仕分けや分析を行うというのがオラクルの考え方です。

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今回の性能向上、そしてOracle DatabaseやHadoopとの統合は、こうした一連のビッグデータ向け機能をさらに前進させることになるでしょう。

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