NoSQLはLinuxディストリビューションの歴史のようになる、2011年のNoSQLに関する予想

2011年1月14日

2010年はNoSQLの存在が広く知られるようになった1年でした。では2011年、NoSQLはどうなるのでしょうか? 3本の予想記事を紹介しましょう。

NoSQLはLinuxディストリビューションの歴史のように

NoSQL – consolidating and proliferating in 2011 — Too much information

米調査会社the451groupのブログToo much informationにポストされたエントリ「NoSQL – consolidating and proliferating in 2011」では、表題通り2011年もNoSQLは広がりを見せると同時に、コンソリデーション、つまり整理統合が起きると予想しています。

広がりの方は、2011年も新しいNoSQLのプロジェクトが立ち上がることで、さらに種類が増えるだろうとしつつ、コンソリデーションについて次のように書いています。

I think we are also beginning to see the a narrowing of the commercial focus on those projects and companies that have enough traction to generate significant business opportunities and revenue, and that a few clear leaders will emerge in the various NoSQL sub-categories (key-value stores, document stores, graph databases and distributed column stores).

NoSQLのプロジェクトや企業を商業利用の面にフォーカスすると、十分な関心やビジネスチャンス、売り上げを得るものが絞られていくのを目の当たりにするだろう。そして、キーバリューストアやドキュメントストア、グラフデータベース、分散カラムストアなどのNoSQLのサブカテゴリごとにはっきりとしたリーダーが選ばれてくる。

この記事では、かつてLinuxディストリビューションが数多く登場し、そして企業向けには数種類のみが生き残ったことと同じようなことがNoSQLでも起きるだろうとしています。

ただLinuxとNoSQLで異なるのは、Linuxはすべて同じ起源を持つのに対し、NoSQLはそうしたものがないため、Linux以上にさまざまな種類のソフトウェアの広がりが見られるとも予想しています。

NoSQLはSQLへと回帰していく

データベースモデルやその関連はSQLへと戻っていくと予想するのは、クラウドデータベースを提供するXeroundのブログにポストされた記事「Five Predictions for your Database in 2011」。

The recent hype around NoSQL will continue to decline, as DBAs and enterprises return to the proven SQL solutions.

このところのNoSQLの盛り上がりは消えていき、データベース管理者や企業は、実績のあるSQLのソリューションへと戻っていくだろう。

その理由として、スケーラビリティや分散環境が魅力だったNoSQLには基本的なトランザクションやリレーションがないことが知られていくからだとしています。

さらに大胆に「NoSQL will become compatible with SQL」(NoSQLはSQLとの互換性を持つようになるだろう)と書くのは、インメモリデータグリッドなどのミドルウェアベンダGigaspacesのCEO Nati Shalomon氏。同氏のブログにポストされたエントリ「2011 Cloud, PaaS, NoSQL Predictions」で、次のように書いています。

Most of those NoSQL implementations started as a simple Key/Value store. In 2011 will see a big push toward SQL support and more standard interfaces and at the same time we’ll see traditional databases adding support for dynamic data structure and schemaless API.

多くのNoSQLはシンプルなキーバリュー型データストアとして開発された。2011年は、これらが標準化されたインターフェイスやSQLをサポートする方向へと進むだろう。と同時に、トラディショナルなデータベースは動的データ構造やスキーマレスAPIをサポートするようになるだろう。

NoSQLはまるでSQLのようなインターフェイスを備え、SQLデータベースはNoSQLデータベースのような柔軟性を備える、と予想しています。

たしかにNoSQLの課題の1つは標準化されたインターフェイスがないことです。NoSQLの1つHadoopは、SQLライクに処理を記述できるHiveというツールが登場していますが、そうしたことがほかのNoSQLでも実現されれば面白そうですね。

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Junichi Niino(jniino)
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