MCPサーバのテストやデバッグ機能、自然言語でテスト用モックサーバの自動生成など、API開発ツール「Kong Insomnia 12」正式リリース

2025年11月6日

API管理ツールや開発ツールを提供するKongは、API開発ツール「Kong Insomnia」の最新バージョンとなる「Kong Insomnia 12」(以下、Insomnia 12)正式リリースを発表しました

Insomniaは開発ツールとしてAPIの設計、テスト、デバッグのためのさまざまな機能を備えています。APIクライアントとしてはHTTP、REST、gRPC、WebSocketsを始めとするさまざまなプロトコルに対応し、自由にパラメータを設定してAPIを呼び出すことにより、APIのテストを行うことなどが可能です。

APIのリクエストを受け取るサーバ側のモックを作成する機能も備えています。

figInsomniaの画面

MCPサーバのテスト機能

Insomnia 12では新機能としてMCP(Model Context Protocol)サーバのテストやデバッグを可能にする機能が追加されました。

MCPは一般に、生成AIが外部のツールを呼び出して情報を取得したり操作したるする際に使われるプロトコルです。これにより生成AIは、あらかじめ生成AI自身が備えている知識や機能を超えて、外部のツールから情報を得たり、外部のツールを通じて処理を行ったりすることができるようになります。

例えば社内のデータベースやナレッジベースを生成AIから参照できるようにするには、これらデータベースやナレッジベースのためのMCPサーバを実装することになります。

Insomnia 12では、まるで生成AIのように振る舞い、MCPサーバに対して自由にパラメータなどを設定して呼び出すことにより、MCPサーバが想定通りの結果を返すかなどのテストやデバッグを行うことができるようになりました。

これにより本番環境で生成AIを用いてMCPサーバをテストする必要がなくなっています。

生成AIによってモックサーバを自動生成

アプリケーションのクライアントを開発している際に、サーバが未完成の状態でクライアントをテストするには、サーバのように振る舞ってくれる簡易的なモックサーバを作ることがよくあります。

Insomniaには以前からモックサーバを作る機能が備わっていました。これはエンドポイントとプロトコルと受け取るパラメータ、それらに対するレスポンスなどをあらかじめ手動で定義することで作ることができます。

Insomnia 12では、モックサーバの内容を自然言語で説明し、URLとJSONサンプル、ありはOpenAPI仕様によるAPI仕様の記述を読み込ませることで生成AIが自動的にモックサーバを生成してくれるようになりました。

これによりモックサーバをこれまでより大幅に簡単にできるようになります。

その他、Insomnia 12の新機能についてはKongのブログ「Kong Insomnia 12: Smarter, Faster, More Accessible API and MCP Development」をご参照ください。

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Junichi Niino(jniino)
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