JavaScriptランタイム「Bun 1.3」登場、CPUの無駄なアイドルを100分の1に、npmからのシームレスマイグレーションなど新機能
オープンソースで開発されているJavaScriptランタイム「Bun」の最新版となる「Bun 1.3」正式版がリリースされました。

BunはJavaScriptとTypeScriptのランタイム機能を備えるだけでなく、トランスパイラ、バンドラ、タスクランナー、npm互換のパッケージマネージャなど、JavaScript/TypeScriptのツールチェーンを統合したソフトウェアです。
CPUのアイドルを100分の1に削減
Bunは登場当初から実行速度の向上を非常に重視してきたプロダクトです。今回のBun 1.3でも速度向上に関する発表がありました。
それが、Bunが採用しているJavaScriptエンジンであるJavaScriptCoreのガベージコレクタを、Bunのイベントループに組み込むことで、CPUの無駄なアイドルを100分の1に削減し、アイドルメモリを40%削減するという実装です。
これによりマシンの性能をより引き出せるようになり、ホスティングのコストを削減できるとしています。

npmなどからのシームレスマイグレーション
JavaScriptランタイムのデファクトスタンダードであるNode.jsとの互換性に関しては、Bun 1.3でも継続的な取り組みによって向上していると説明された上で、Bun 1.3ではnpmなど既存のパッケージマネージャをBunへスムーズに移行するシームレスマイグレーション機能が登場しました。
これはインストールされているパッケージの種類と依存関係などを示すlockファイルを、自動的にBunのlockファイルへ変換するという機能です。

Isolated Installs
大規模なモノレポで問題になるのが、いつの間にか依存性が壊れてしまうことです。
そこでBun 1.3ではデフォルトでIsolated Installs(分離インストール)が有効になりました。これにより、複数のパッケージがインストールされたとしても、それぞれの依存性は独立しており、壊れることはなくなると説明されています。

Hot Reloadingに対応
Webアプリケーションのフロントエンド開発支援機能も強化されました。
Bunのフロントエンド開発用のサーバ機能では、React Fast Refreshを含むホットモジュール置換(HMR)を標準でサポートしました。
これによりWebページを再読み込みすることなく、コードの変更が自動的にWebページに反映されるようになります。
さらに「import.meta.hot」APIにより、フレームワークの開発者はBunのフロントエンド開発サーバ機能を用いて、自身のフレームワークでホットリロード機能を実現できるようになりました。
Redisクライアントのサポート
今年(2025年)9月にリリースされたBun 1.2.21で、BunはPostgreSQL、MySQL/MariaDB、SQLiteのクライアントをサポートしたことで、主要なRDBをサポートするユニバーサルなデータベースクライアントとなりました。
その上でRedis 1.29ではインメモリのキーバリューストアであるRedis/Valkeyのクライアント機能が組み込まれました。

その他、Bun 1.3では数多くの新機能が実装されています。詳しくは公式サイトの「Bun 1.3 | Bun Blog」をご覧ください。