Next.jsの開発元Vercel、Edge FunctionsでWebAssemblyのサポートを発表

2022年8月30日

Next.jsの開発元であり、Webアプリケーションのホスティングサービスなどを提供するVercelは、CDNエッジでJavaScriptを実行できる「Vercel Edge Functions」でWebAssemblyのサポートを発表しました

Vercel Edge FunctionsはCDNエッジでJavaScriptを実行し、認証用プロキシやキャッシュコントロール、A/Bテストなどのさまざまな処理を可能にします。このVercel Edge FunctionsでWebAssemblyがサポートされました。

これにより、主に2つの利点が得られます。

1つは実行性能の向上です。Vercel Edge FunctionsのランタイムはGoogle Chromeなどに搭載されているV8を採用しており、WebAssemblyもこのV8をランタイムとして実行されます。

もともとWebAssemblyはネイティブバイナリのような高速性の実現を目指して開発された技術であるため、V8上でもWebAssemblyはJavaScriptよりも非常に高速に実行可能です。そのため同様の処理であればJavaScriptよりもWebAssemblyの方が高速に実行できるでしょう。

もう1つは多様なプログラミング言語での開発が可能になることです。WebAssemblyはバイナリファイルとなっており、CやRustなどさまざまなプログラミング言語から生成することができます。今後、WebAssemblyをターゲットにしたさまざまなプログラミング言語を用いたアプリケーションの開発環境が整っていくことが期待されています。

CDNエッジにおけるWebAssemblyのサポートはすでにVercel Edge Functionsの競合と見なされているFastlyのCompute@Edge、Cloudflare Workers、Deno Deployなどで行われています。

というのもV8を始めとして世の中のほぼすべてのJavaScriptランタイムはWebAssemblyも実行可能であるため、WebAssemblyをサポートすることは自然な流れといえるためです。Verel Edge FunctionsによるWebAssemblyのサポートも当然この流れの上にあります。

そして遅かれ早かれ、これまでのJavaScript実行環境のほとんどすべてでWebAssemblyのサポートが開始されることで、そこから今後さまざまな新しい可能性が登場してくることが期待されます。

あわせて読みたい

JavaScript WebAssembly クラウド プログラミング言語 Vercel




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本