AWS、新たな責任共有モデルの「Amazon RDS Custom for Oracle」リリース。マネージドサービスでありつつホストへSSH、データベースやOSのカスタマイズが可能

2021年11月2日

Amazon Web Services(AWS)は、新サービス「Amazon RDS Custom for Oracle[を発表しました」。

fig

Amazon RDSはデータベースをマネージドサービスとして提供するサービスです。クラウド側でデータベースのプロビジョニング、設定、OSやデータベースのパッチの適用、バックアップ、スケーリングなど運用に関わる操作をすべて行ってくれます。

ユーザーとAWSの、いわゆる「責任分解点」はデータベースへの接続APIの部分に置かれ、APIより上はユーザーの責任となり、APIから下はクラウドの責任で運用されることになります。

この場合、データベースの設定、OSのパッチの適用などをユーザー側で任意にコントロールすることは制限されますが、ユーザーはデータベースの運用責任をクラウドに任せることができ、アプリケーションの利用に集中することが可能です。

マネージドサービスでありつつカスタマイズ可能なAmazon RDS Custom

今回リリースされた「Amazon RDS Custom for Oracle」は、このAmazon RDSのマネージドサービスでありながら、データベースやOSのパッチ適用、バックアップなどを含むメンテナンスやカスタマイズをユーザーが行えるというものです。

Amazon RDSによって実行されているOracle DatabaseのインスタンスのホストマシンにユーザーがSSHでログインすることも可能になっています。

これにより、従来のAmazon RDSでは明確に分かれていた責任分解点はなくなり、以下のようにOSやデータベースのメンテナンス部分などで、その責任をAWSとユーザーが共有するという、新たな責任共有モデルに基づいたマネージドサービスが提供されることになります。

新たな責任共有モデルを示した下記の表は「Amazon RDS Custom for Oracle – New Control Capabilities in Database Environment」からの引用です。

fig

下記の図ではAmazon RDS Custom for Oracleの利用手順を示しています。(1)と(2)でユーザーによってカスタマイズされたOracle DatabaseをAWSにデプロイし、(3)ではさらにホストにSSHでアクセスしてカスタマイズできることを示しています。

fig

これにより、これまで特定の設定やOSのバージョン、データベースのバージョンなどに依存して実行してきたオンプレミス上のOracle Databaseなどを、AWSのマネージドサービスとして運用負担を軽くしつつ移行することができるようになると説明されてます。

あわせて読みたい

AWS クラウド Oracle




タグクラウド

クラウド
AWS / Azure / Google Cloud
クラウドネイティブ / サーバレス
クラウドのシェア / クラウドの障害

コンテナ型仮想化

プログラミング言語
JavaScript / Java / .NET
WebAssembly / Web標準
開発ツール / テスト・品質

アジャイル開発 / スクラム / DevOps

データベース / 機械学習・AI
RDB / NoSQL

ネットワーク / セキュリティ
HTTP / QUIC

OS / Windows / Linux / 仮想化
サーバ / ストレージ / ハードウェア

ITエンジニアの給与・年収 / 働き方

殿堂入り / おもしろ / 編集後記

全てのタグを見る

Blogger in Chief

photo of jniino

Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed

最新記事10本