JavaScriptエンジンのV8、WebAssemblyのコンパイル済みモジュールをキャッシュすることで2度目の訪問からは即実行可能に。V8 r7.5で

2019年5月21日

JavaScriptエンジン「V8」の開発チームは、現在ベータ版のChrome 75に搭載予定の最新バージョン「V8 release v7.5」(以下V8 r7.5)のリリースを発表しました

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V8 r7.5では、コンパイル済みのWebAssemblyモジュールをキャッシュすることで、Webページを採用したときには再コンパイルなしで即実行できるようになったと説明されています。

We are planning to roll out implicit caching of WebAssembly compilation artifacts in Chrome 75. This means users that visit the same page a second time don’t need to compile the already-seen WebAssembly modules. Instead they are loaded from the cache.

Chrome 75ではWebAssemblyコンパイルで生成されたものが暗黙的にキャッシュされる予定だ。これによりユーザーは同じページを二度目に訪問したときにはすでにコンパイル済みのWebAssemblyモジュールを再コンパイルしなくなり、そのかわりキャッシュからロードするようになる。

WebAssemblyにおける大量メモリの操作(Bulk memory operations)に関する命令も追加され、一定の領域のメモリコピー(memory.copy命令)、メモリフィル(memory.fill命令)などにも対応。

そのほか桁数の大きい数字をアンダースコアで3桁ごとに区切ることで可読性を高める表記、例えば「1019436871.42」が「1_019_436_871.42」と表記可能になりました。また、ネットワークからのデータを直接ストリーミングしつつパースできるようになったことで、JavaScriptエンジンのメインスレッドがネットワークからデータを受け取るのを待つことなく迅速にパースできるようになっています。

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