インテル、不揮発性メモリのOptane DC persistent memoryをアプリケーション変更なしで使える「Memory Mode」など発表

2018年11月1日


インテルは、DRAMと同じDDR4スロットに挿してメインメモリとして使える大容量の不揮発性メモリである新製品「Intel Optane DC persistent memory」のベータプログラム開始を発表しました

これにあわせてクラウドベンダやサーバベンダがIntel Optane DC persistent memoryを用いた製品やサービスの試験的投入をスタート。例えばGoogle Cloudは7テラバイトの大容量メモリを持つ仮想サーバを発表しています

不揮発性のメインメモリを使うにはアプリケーション対応が必要

Intel Optane DC persistent memoryには2つの特徴があります。1つは不揮発性メモリであることです。これまでNAND型フラッシュメモリを用いた不揮発性メモリは高速なストレージとして幅広く使われてきていますが、DRAMと比べるとアクセス速度が遅いため、メインメモリとしての利用は広まっていません。

しかしIntel Optane DC persistent memoryに使われているチップである3D XPointは、DRAMよりも遅いもののNAND型フラッシュと比べると十分に高速なため、汎用サーバにおいては事実上初めて、不揮発性メモリがメインメモリとして使われることになります。

不揮発性メモリがメインメモリとして使われることで、電源断などの障害で失われては困る重要なデータをストレージに保存するという処理が不要になり、またコンピュータを再起動した場合でも起動前の情報がメモリに保持されたままであるため、ストレージに関連して存在していた多くのボトルネックが解消され、コンピュータの処理能力が大幅に向上することが期待されています。

しかしこの不揮発性メインメモリの利点を得るには、アプリケーションがこうした処理に対応しなくてはならず、既存のアプリケーションではメリットを受けることができません。

Intel Optane DC persistent memoryを安価なメインメモリとして使う

Intel Optane DC persistent memoryには2つ目の特徴があります。それは3D XPointのメモリ単価がDRAMより安価だということです。

つまり同じコストをメモリに投資するとき、DRAMの代わりにIntel Optane DC persistent memoryを用いることでより大容量のメモリ構成にできるのです。ただし3D XPointはDRAMよりもアクセス速度は遅いため、現実的にはDRAMとIntel Optane DC persistent memoryを組み合わせた構成となります。

このとき、Intel Optane DC persistent memoryは不揮発性メモリとしてではなく、DRAMと組み合わされたちょっと遅いメインメモリとして扱われ、DRAMとIntel Optane DC persistent memoryの違いはOSや仮想化ハイパーバイザなどで吸収されてアプリケーションからは単に大容量メモリとして認識されます。ということは、アプリケーションはそのままで大容量メモリの恩恵を受けた処理が可能になるわけです。

インテル、App DirectモードとMemoryモードを発表

インテルはこうしたIntel Optane DC persistent memoryの使われ方について、正式に2つのモードとして名称を付けました。不揮発性メモリとして使うApp Directモードと、大容量メモリとして使うMemoryモードです。

fig

下記はプレスリリースからその説明を引用しました

Intel announced unique capabilities delivered by Intel Optane DC persistent memory through two special operating modes – App Direct mode and Memory mode. Applications that have been specifically tuned can take advantage of App Direct mode to receive the full value of the product’s native persistence and larger capacity.

インテルはIntel Optane DC persistent memoryのユニークな機能を2つの特別なモードとして発表します。App DirectモードとMemoryモードです。あらかじめApp Directモードに対応して開発されたアプリケーションであれば、大容量で不揮発なこの製品の利点をすべて活用できます。

In Memory mode, applications running in a supported operating system or virtual environment can use the product as volatile memory, taking advantage of the additional system capacity made possible from module sizes up to 512 GB without needing to rewrite software.

Memoryモードでは、アプリケーションを実行しているOSもしくは仮想環境において当製品を揮発性メモリ(訳注:DRAMと同じ、電源が切れると内容を失うメモリ)として利用でき、アプリケーションを書き換えることなく最大512GBまでの追加メモリ容量として利用可能です。

当初、Intel Optane DC persistent memoryはMemoryモードで安価で大容量メモリとして使われ、対応アプリケーションが普及して行くにつれてApp Directモードが使われていくと考えられます。

このエントリーをはてなブックマークに追加
follow us in feedly


≫次の記事
AIドリブンな開発、自律的なモノ、没入型体験など、2019年に注目すべき戦略的テクノロジートレンドのトップ10。ガートナー

≪前の記事
Google Cloud、インテルの不揮発性メモリ「Optane DC persistent memory」を利用開始。7テラバイトのメインメモリを持つ仮想マシンを提供


カテゴリ



Blogger in Chief

photo of jniino Junichi Niino(jniino)
IT系の雑誌編集者、オンラインメディア発行人を経て独立。2009年にPublickeyを開始しました。
詳しいプロフィール

Publickeyの新着情報をチェックしませんか?
Twitterで : @Publickey
Facebookで : Publickeyのページ
RSSリーダーで : Feed



新着記事 10本


PR - Books


fig

fig

fig