Kubernetesを統合した「Docker Enterprise Edition 2.0」正式版リリース。コンテナランタイム、オーケストレーション、ネットワーク機能などを含む総合コンテナソリューション

2018年4月19日

Dockerは企業向けコンテナソフトウェアの「Docker Enterprise Edition 2.0」正式版がリリースされたことを発表しました。

Docker Enterprise Edition 2.0は、Dockerコンテナランタイム、コンテナレジストリ、オーケストレーションツールと対応するネットワーク機能、ストレージ機能、そして全体をカバーするセキュリティ機能などが含まれる企業向けの商用製品です。

同社は2017年10月に、それまでオーケストレーションツールとして同社のSwarmと競合していたKubernetesの採用を電撃的に発表。今回のDocker Enterprise Edition 2.0でついにKubernetesが統合された商用ソフトウェアが正式にリリースされたことになります。

Docker Enterprise Edition 2.0はロックインを抑制する

Docker Enterprise Edition 2.0は、前述の通りコンテナランタイム、コンテナレジストリ、オーケストレーションツールなど、コンテナに対応したアプリケーションの開発から運用までプラットフォームとして必要な機能を一通り統合した製品です。

最大の特徴は、下記のように複数のOS、クラウド、オーケストレーションツールなどの選択肢が用意されており、特定の環境にロックインされることをできるだけ抑制できるという点です。

マルチOS対応
SLES、CentOS、RHEL、Ubuntu、Oracle Linux、Windows Serverに対応

マルチクラウド対応
Amazon Web Services、Microsoft Azureをはじめとする主要なクラウドに対応。

複数のオーケストレーションツールに対応
SwarmとKubernetesのどちらも対応

ネットワーキング
Docker Enterprise Editionは、レイヤ3ルーティングをベースとしたネットワークを実現するソフトウェア「Project Calico」をネットワーク機能として統合しており、シスコなど複数のネットワーク機器に対応したプラグインによって利用可能。

ストレージ
Dell EMC、HPE/Nimble、NetApp、Nexenta、Pure Storage、Veritasなど多数のストレージベンダに対応したボリュームプラグインが用意されている。

Dockerのコンテナソリューションベンダーとしての強みとは

DockerやKubernetesなどコンテナソリューションを構成する主要な基盤ソフトウェアは急速に標準化が進んでいると同時にコモディティ化が始まっており、同社にとって製品の独自機能や先進性での訴求が難しくなってきています。

そして例えばPivotal Container ServiceやRed Hat OpenShiftのように、コンテナランタイムやオーケストレーションツールなどのコンテナ実行と運用環境を統合した競合製品も登場し始めています。

そうしたなかで同社は、クラウドベンダやOSベンダではないコンテナソリューションのベンダというポジションを活かし、マルチベンダに対応したロックインフリーな環境を構築できることを同社製品の大きな強みとして訴求していくと見られます。

Tags: Docker Kubernetes コンテナ型仮想化

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Junichi Niino(jniino)
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