IBMとSanDiskがオールフラッシュストレージで提携、IBMの「Spectrum Scale」とSanDiskのオールフラッシュ「InfiniFlash」を統合
いまストレージの分野で大きな変革を起こしている要素は、フラッシュメモリとソフトウェアの2つでしょう。
フラッシュメモリをストレージの記憶媒体に使うことで、これまでのハードディスクを用いたストレージと比べて飛躍的に高速で高密度なストレージが実現し、ソフトウェアで自由に構成を行えるSoftware-Defined Storageの登場によって、汎用サーバとSSDやハードディスクのような単純な媒体の組み合わせにで高度なストレージが実現できるようになりました。
この2つの組み合わせを体現する提携がIBMとSanDiskによって発表されました。
この提携により提供されるのが「InfiniFlash for IBM Spectrum Scale Solution」。SanDiskが提供する大容量のオールフラッシュストレージ「InfiniFlash」と、IBMが提供する大規模分散ストレージを実現するソフトウェア「Spectrum Scale」の組み合わせです。
以下はSanDiskが両社を組み合わせたベンチマークを行った際の構成です。図上のデルのサーバにIBMのSpectrum Scaleがインストールされています。
InfiniFlashはビッグデータ向けのオールフラッシュストレージで、3Uの筐体に最大で512テラバイトもの容量を搭載できます。
IBMが提供するストレージソフトウェアが「Spectrum Scale」。同製品は元々IBM GPFS(Global Parallel File System)という名前で長年にわたりスケールアウト可能な大規模ストレージの機能を提供してきた製品です。
Spectrum Scaleは、最大8192ノードまで拡張可能で容量としては2の99乗のサイズまで対応という大規模なストレージを実現するソフトウェア。ブロックストレージやオブエクとストレージを実現し、スナップショットなどのエンタープライズレベルの機能も搭載しています。
このInfiniFlashとSpectrum Scaleを搭載したサーバを組み合わせることで、オールフラッシュによる大規模な容量や性能を実現するスケールアウトストレージが可能になります。
SanDiskはInfiniFlashを発表した2015年3月の時点で、スケールアウト可能なブロックストレージやオブジェクトストレージを実現する「Ceph」の機能を搭載したモデル「IF500」を発表しており、今回のIBMとの提携は、Cephとは異なるスケールアウトストレージの実現を狙ったものといえるでしょう。
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