ノード追加で容量と性能が向上するスケールアウトストレージ「EMC Isilon」。無償ソフトウェア版を提供、クラウドストレージとも連係[PR]

2016年3月2日

システムのキャパシティを事前に正確に予測することは非常に難しいものです。本稼働のあとで、ストレージ容量が当初の想定より多く必要になった、といったことは珍しいことではありません。

企業向けの大型ストレージでは、その容量や性能をあとから柔軟に追加していくのは難しいのが一般的です。とはいえ、最初から性能や容量に余裕のあるストレージを調達するのではシステムコストの増大要因になりますし、予想が外れれば無駄なコストになってしまいます。

こうした課題を解決するストレージとして注目されているのが「スケールアウトストレージ」です。複数のノードを束ねて1つの大きなストレージを構成する仕組みになっており、小さな構成から始めて、ノードを追加することでストレージの容量と性能が増大します。

このスケールアウトストレージの代表的な製品が、EMCの「Isilon」(アイシロン)です。

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スケールアウトNAS「Isilon」の概要

Isilonは3ノードの最小構成からスタートし、ノードを1つずつ追加していくだけで、最大50ペタバイトもの大容量化と200GB/sまでアクセス性能の向上が実現します。

2月に登場した最新版では、クラウド連携機能により保存されたデータをストレージから自動的にクラウドへ転送することで、安価で大容量なクラウドをストレージの一部にできるようになりました。

さらに、仮想マシンにインストールするだけでx86サーバをスケールアウトストレージにできるソフトウェア版の「IsilonSD Edge」の無償配布も始まりました

Isilonは、SMBやNFS、FTPなど多様なプロトコルにも対応しているため、Windowsからリモートドライブとして使うことも、Linuxからマウントして使い始めることも簡単にできます。HadoopのHDFSとして大規模なデータウェアハウスのストレージとしても使えます。スモールスタートで導入して大規模なストレージにまで発展し、多様なニーズに対応するのです。

いくつかの特長を詳しく見ていきましょう。

Isilonはノードを追加してスイッチを入れるだけで利用可能

ストレージ機器としてのIsilonは、1つの筐体にCPU、メモリ、ネットワークインターフェイスカード(NIC)、そしてハードディスクやSSDが搭載されています。これを高速なInfiniBandで束ねることで、論理的には1台のストレージとして振る舞います。

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すべてのIsilonノードはイーサネットに接続されているため、クライアントからストレージへのアクセスは任意のノードに対して行われます。

Isilonへは、SMB、NFS、HTTP、FTP、HDFS、RESTなど多くのプロトコルでアクセス可能です。WindowsやMacOSからリモートドライブとして、LinuxからNFSでマウント、あるいはFTPやRESTでのアクセスや、HadoopからHDFSとしてアクセスするなど、多様なストレージの利用を実現しています。

Isilonのノードは追加は、InfiniBandのケーブルを差し込んでスイッチを入れるだけです。データの再配置はバックグラウンドで自動的に行われます。

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ノード追加は稼働中でも行えるため、例えばWindowsの共有ファイルサーバとして使用中にストレージ容量が足りなくなってきたら、ノードを追加するだけでそのままネットワークドライブの容量が増えるのです。

ノードの追加は容量の増大だけでなく、ストレージヘッドの増設も同時に行われるため、アクセス負荷に対しても線形に性能が向上していきます。

導入や運用のコストがほとんど掛からないのも大きな特長です。これまでのストレージでは一般に、導入時にストレージを切り分けるボリューム数や大きさ、RAID構成などを慎重に設計していく必要がありました。あとから想定が外れて再設計や再構成をするのにも手間と時間が掛かりました。

しかしIsilonが採用するOneFSでは、ISilonのクラスタ全体が1ボリュームとして使えるため、導入時のボリューム設計や設定は不要。平準化のための再構成は自動的に行われており、ストレージ追加時の設定も不要。冗長化は後述するように管理ツールから簡単に行えます。

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データの冗長化はきめ細かく設定可能

Isilonでは、保存されているデータは分割され複数のノードに分散して保存されます。これがスケールアウトストレージの基本的な仕組みとなります。

と同時に、分散して保存されるデータに対してパリティもしくはミラーリングを用いた冗長化が行われるため、万が一一部のノードが故障したりディスクがクラッシュしたとしてもデータが失われないようになっています。しかもこうしたデータ保護は重要なデータほど手厚く設定できるようになっており、ストレージを効率よく利用できます。

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それ以外にもIsilonにはスナップショット、遠隔地への非同期レプリケーション、クォータ管理、シンプロビジョニング、重複排除、データの階層化配置、データ改ざん防止など、モダンなストレージに要求される機能を備えています。

クラウドストレージをIsilonからシームレスに利用可能に

2月に登場したIsilonのOS「OneFS 8.0」新機能の1つが、クラウドストレージに対応する「Isilon CloudPools」であり、そしてソフトウェアでIsilonの機能を実現する「IsilonSD Edge」です。

企業では、例えばメールのアーカイブや過去の重要書類など、長期的に保存しておくべきデータが増えてきています。こうした、ほとんどアクセスされないデータは、手元のストレージに保存するよりも、クラウドの低コストなデータ保存サービスに預けた方が安全かつ低コストとなるはずです。

Isilon CloudPoolsは、Isilonが備えているデータ階層化の機能をクラウドにまで拡張。一定期間以上アクセスのないデータなど、あらかじめポリシーによって定められたデータを自動的にクラウドへ転送、アクセスがあったときだけクラウドから取得してくれるためノードを追加することなく、データ容量を飛躍的に増加できるのです。

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しかも、ユーザーからはすべてが透過的に扱えるため、従来のシステムやワークフローをそのままでクラウドの利点を得ることができます。

ソフトウェア版の「IsilonSD Edge」が登場

そしてソフトウェア版Isilonとして登場したのが「IsilonSD Edge」です。

IsilonSD EdgeはVMware ESXiのハイパーバイザ上で稼働し、ハードウェア版のIsilonと同じ機能が利用できます。

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その名前に示されるとおりIsilonSD Edgeはエッジ環境、つまりハードウェア版のIsilonで大規模なデータストア、いわゆる「データレイク」を構築したとき、その周辺拠点のストレージとしての利用を想定しています。

こうした周辺拠点では、より安価で簡単に利用できるソフトウェア版のストレージが適切だと考えられるためです。

IsilonSD Edgeでも3ノードから構成がスタート。最大で6ノード、36テラバイトまでスケールするシステムが可能。

IsilonSD Edgeは誰でもダウンロードとインストール可能。非商用環境で無償利用できます。

(本記事はEMCジャパン提供のタイアップ記事です)

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Junichi Niino(jniino)
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