コンピュート、ストレージ、ファブリックを統合、APIで筐体内にサーバを作り出せる新型インフラ「HPE Synergy」発表。米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ
米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)はロンドンで開催中のイベント「Discover 2015 London」において、コンピュート、ストレージ、ファブリックを統合した新しい大型インフラ「HPE Synergy」を発表しました。
HPE Synergyは、コンピュート、ストレージ、ファブリックを動的に組み合わせて、必要な性能を備えたサーバを筐体内に出現させる機能を備えているのが最大の特徴です。
筐体内にサーバを出現させる技術としては、仮想化ハイパーバイザなどを用いるのが一般的ですが、同社の説明によると「ベアメタル、仮想化サーバ、コンテナのいずれにも対応する」とのことで、より物理レイヤに近いところでリソースの組み立てを行っているようです。
「Synergyは初のコンポーザブルインフラストラクチャ(組み立て可能なインフラ)だ。コンピュート、ストレージ、ファブリックが1つに統合され、トラディショナルなインフラ、仮想化インフラ、クラウドインフラなどの目的に応じて適切な組み合わせを実現する」(HPE エグゼクティブバイスプレジデント兼エンタープライズグループ ゼネラルマネージャ Antonio Neri氏)
コンピュート、ストレージ、ファブリックのリソースプールはソフトウェアによって自由に組み立て可能です。そしてそのソフトウェアに対しては統一的なAPIで操作できるのがもう1つのHPE Synergyの特長です。
HPE Synergyには、SQL Server用、Oracle Database用、Hadoop用、Cassandra用、Docker用など、用途ごとにあらかじめテンプレートのカタログが用意されています。このテンプレートを選択するだけで、例えばSQL Serverに適したコンピュート、ストレージ、ネットワーク構成のベアメタルサーバがHPE Synergyの筐体内に出現するようになっています。
HPE Synergyは複数のラックを接続することでスケールする構造になっており、高いスケーラビリティも備えています。
同社は、従来のトラディショナルなインフラに要求される低コストで安定した信頼性の高いインフラと、クラウドのような新しいインフラに要求される柔軟で迅速なインフラの両方を、このHPE Synergyだけで実現できるとしています。
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