Java SEとJava MEが一本化へ。Internet of Thingsの時代に向けて~JavaOne 2013

2013年9月25日

米サンフランシスコで9月22日から開催中のJavaOne 2013。今後のJavaの方向性を解説するストラテジーキーノートで明らかにされたのは、ネット上でさまざまなデバイスが主役となるInternet of Thingsの時代に向けた方針でした。

これまでJava SEと組み込み機器向けのJava MEとに分かれていたJavaは徐々に仕様を一本化していき、JavaでPCから組み込み機器まであらゆるデバイスに対応する方向へ向かいます。

Internet of Thingsの時代、Java SEとJava MEは統合へ向かう

米オラクルのVice President, Java Product Management、Peter Utzschneider氏(左)と、Vice President of Development, Java Platform、Nandini Ramani氏(右)。

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これからはJavaプラットフォームの統合が非常に重要になると考えている。

いまJavaには、3つの実装がある。Java SE 7、CLDC、CDCだ(注:CLDCとCDCはJava MEの一部)。これらはシンタックスなどの共通点はあるが多くの点で異なっており、Java MEはJava SEの進化に追いついていなかった。

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これがJava 8ではどうなるか。Java 8はプラットフォームの統合に向かう大事なマイルストーンになる。Java SE 8コンパクトプロファイルはCDCを置き換えることになる。またAPIの面でも言語の面でも共通点を増やしていく。

Java 8はこれからの方向性に対する基盤となるのだ。

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共通化によって開発者はJava SE、Java MEのスキルセットを広い分野で使えるようになり、将来的にはJava SEデベロッパー、Java MEデベロッパーは1つのJavaデベロッパーへと統合されていく。

Java 8のさらに先では、この統合をさらに進めていく。ムーアの法則でデバイスは高性能化していく一方で、Java SEをシュリンクさせて行くことで組み込みや小さなデバイスの分野に合わせていくとともに、Java MEを拡大してJava SEの分野に合わせていく。

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実装の複雑さは取り除かれていき、開発が容易になり、Java SE、Java MEに関わりなくJavaデベロッパーがオンボードデバイスなどのプログラミングまでできるようになる。

多くのチップセットにJavaを載せていく

パートナーたちとの協業を通じて、組み込みの分野で多くのチップセットにおいてJavaを一級市民にしていくことも進める。

現状では多くベンダからさまざまなチップセットが提供されており、それぞれ違うOSやデバイスドライバなどによって分断されている。

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彼らはInternet of Thingsの時代に向けてオープンスタンダードプラットフォームとしてJavaに興味を持ってくれている。

Java SE 8の早期リリース版が公開

来年の早期に登場予定のJava SE 8には多くの新機能、LambdaやNashorm JavaScript Engineなどが含まれている。

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Java 8の先にはModular Platform(Jigsaw)などが予定されているが、これは機能希望リストが用意されており、コミュニティなどの投票で機能を決めていくことになる。

Java 8 SE 8の早期リリース版が公開されているので、ぜひ試してほしい。

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Oracle OpenWorld 2013 / JavaOne 2013

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