まさに怪物! Fusion-ioが容量10テラバイト/性能130万IOPSのフラッシュドライブ「ioDrive Octal」発表

2011年11月18日

わずか2つ程度のPCIeスロットのスペースに、10テラバイトのストレージ容量で、しかも1秒間に130万回のI/O性能、リード性能が6.7 GB/s、ライト性能は3.9 GB/sという怪物のようなフラッシュドライブ「ioDrive Octal」を、米Fusion-ioが発表しました

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「ioDrive Octal」は、2012年の第1四半期に登場予定、価格はまだ発表されていません。

データベース性能が飛躍的に向上

Fusion-ioは、PCIeスロットに接続する高速なサーバ内蔵型フラッシュストレージという、新しいストレージデバイス分野の草分け的存在。

一般にエンタープライズ用途においてフラッシュメモリを用いたストレージは、リードに比べてライトが遅いことや、長期間の使用に対する信頼性や寿命などの課題を抱えているといわれていますが、Fusion-ioではフラッシュメモリの手前に巨大なキャッシュを置き、フラッシュメモリへの読み書きを工夫し、強力なエラー訂正機構を備えるなどで、こうした課題を解決しています(稼働中にあるフラッシュメモリが故障したとしても問題なく動作するほどだそうです)。

同社の製品はいま、集積度が高くトラフィックが集中する仮想環境や大規模データベース処理を行うユーザー、大量のユーザーからアクセスがあるソーシャルゲームベンダなど先進的なユーザーからひっぱりだこの状態です。

というのも、高負荷の環境でボトルネックになるデータベースの性能を、同社製品を導入することで劇的に引き上げることが可能になるため、苦労してシャーディングを駆使したりNoSQLで再構築しなくとも済むためです(「Fusion-ioは甘えだ」とまで言われているらしいです)。

PCIeフラッシュストレージのメインストリーム化

ストレージのボトルネックの解決は以前からシステム構築にあたっての課題でしたが、特に現在では仮想化やクラウドによってシステムの集積度が高まり、CPUの高速化とマルチコア化や大容量メモリが一般的になったことなどにより、ストレージとその他のI/Oスピードのギャップは深刻なほどに大きくなっています。このことを背景にして、高速なストレージの重要性が高まってきました。

そのために、従来のSATAやSASなどのインターフェイスよりも高速なPCIe接続のフラッシュストレージは注目される存在になっています。現在、フォームファクタやコネクタなどの標準化への取り組みも始まっているようで、クラウド自体の新しいタイプのストレージとしてメインストリームになるだろうとも予測されています

Tags: ストレージ ハードウェア SSD

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Junichi Niino(jniino)
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